"米国一住みたい街"に日本人も注目する理由

それはNYでもシリコンバレーでもない

壮大な自然やアウトドアスポーツの宝庫であることに加え、米国の地方都市には珍しく、環境保護などの観点から、自動車より公共交通機関や自転車の利用が促進されることも特徴だ。

6年前に家族と移住してきた若手起業家のジョシュア・ウォールドマンさんは、「大半の場所に歩いて行けるというライフスタイル」がポートランドを選んだ理由の一つだという。ソーシャルメディアを駆使した就職活動を指南するベンチャーを立ち上げ、CEOを務める同氏だが、生活費が「とてもリーズナブル」な点も、移住を決めた要因になった。現在、約200平米の持ち家に住んでいるが、「カリフォルニアだったら、30万㌦(約3600万円)以下では絶対に買えない」(同氏)。

庶民にとっても住みやすい

西海岸本拠のオンライン不動産データベース会社、ジロー・グループによれば、ポートランドの平均住宅市場価値は、4月末時点で31万1900㌦(約3770万円)。2012年から急騰しており、人口流入に伴う街の再開発なども不動産価格アップに拍車をかけ、来年4月末までに4%の上昇が見込まれる。

とはいえ、ITブームにわくサンフランシスコの104万4500㌦(約1億2600万円)や、100万㌦(約1億2100万円)近いニューヨークのマンハッタンに比べれば、庶民にも手が届きやすい価格だ。

ポートランド市・予算事務局(CBO)の最新統計では、今年第1四半期(1~3月期)の一般複合住宅の空室率は、わずか2.7%。CBOが、昨年末のリポートで一般複合住宅の空室率の低さを指摘し、「Too Hot(過熱)」気味だと警鐘を鳴らすほどだ。

「ダウンタウンでは、豪雨の後のキノコさながらに高層マンションが誕生し、建設ブームが進行中だ」と言うのは、同市在住ファッション・フューチャリスト(未来研究者)のレズリー・スコットさんだ。

「サンフランシスコやロサンゼルス、シアトル、ニューヨーク、ワシントンDCなどの『ディスティネーション・シティー』に比べ、依然として生活費が安いことに加え、文化的にトレンディーである点が人気の理由」だと指摘するのは、14年前に大学を卒業してポートランドに移り住んだフリーランス記者のコートニー・シャーウッドさんだ。

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