ルールがたくさんあればあるほど、それを管理して覚えてもらい、守っているのか監視し続け、破られたら罰則を適用。一度ルールを作ると、そのルールを守るためのルールが作られ、またそのルールを守るためのルールが作られ……と、気が遠くなるほどのハイコストなのです。
それにもかかわらず、何か新しいことを始めようとしたときに「まずは、しっかりとルールを作りましょう」となるのは珍しいことではありません。
このように「なんでもルール化」は、地縛霊のように生き続けて組織全体に閉塞感をもたらします。思考停止で「ルールを作りましょう!」と安易に言うのは危険です。
それでも覚悟を持ってルールを作ると決めた場合には、ルールを問題児に合わせるのはやめましょう。
「こういう人の場合はどうするか」「こんなリスクもあるのでは」と言い出してしますと、どんどん増えて細かくなってしまいます。まずは、あるべき姿を思い浮かべ、それを目指すためのルールを作るのが大切です。
チェック地獄でスタンプラリー状態
提出した見積書にミス、再発防止にダブルチェックを徹底!
既にダブルチェックしてるならトリプルチェック!
信じられないかもしれませんが本当の話です。
日本企業は、このようなムダな確認作業が大好きで、あらゆる業務を沢山の段階でチェック&承認する仕組みを作りたがります。
有給取得を依頼するだけなのに課長や部長までの承認が必要だったり、数千円の経費の承認に対して、複数の上司や部門の承認が必要な場合など、仕事を進めるのにたくさんの押印が必要になることから「スタンプラリー」と皮肉られることもあります。
このようにチェックが増えるキッカケは何かしらのトラブルが生じた場合や、法改正が起こって対応を迫られた場合など理由はさまざまです。
そのようなときに「再発防止策としてダブルチェックを始める」と言えば、深く考えたり仕組を改善しなくてもひとまず対策したことになるので気楽なのです。
また、チェックする人数が増えると「ミスが起こったときに自分だけの責任にならない」安心感もあります。無意識にも「みんなでやっている」「みんなで決めた」そんな連帯感を満たしてくれるのです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら