一方、皮肉なことにミスが起こる原因の9割は思い込みです。チェックする人数が増えると逆に、「たくさんの人が見ているから大丈夫だろう」「他のチェック担当はしっかり者だし、大丈夫だろう」という心理が働きます。
その上、前の人が終わらない場合に次の人は作業に取りかかれないという業務の流れに淀みを発生させます。
手間がかかる承認作業で業務停滞
そしてこれは承認作業も同じです。1つひとつの承認の観点が曖昧なため、職場にて同じような観点で何度も承認を繰り返しているだけのムダが発生しています。いくら回数を増やしても、統制機能を担っておらず手間ばかりかかる割に業務停滞(ボトルネック)を生みます。
そこで、まずは思考停止でチェックや承認を増やさない心構えが大切です。業務プロセスを見直したり仕組みに問題がないのかを考えない限り抜本的な解決はありません。
まずは気軽に業務ステップを追加しないでください。どうしてもプロセスの追加が必要なときには「見る範囲」を決めてください。
たとえば、最初の承認者は書いてある内容や添付されている領収書の証跡に間違いがないのか、内容が一致しているのかどうかだけを確認する。
次の承認者は、使用用途や場所に問題がないか、営業戦略の観点から取引先や金額が正当かを確認する。このように「見る範囲」をしっかりと決めると、判断をできる人が明確になります。そうすると、責任とその範囲が明確になるのです。
このような形で承認プロセスを作ると少ない承認者できちんと統制できるようになります。
その上で、もう一歩踏み込んで考えていただきたいのが、最初の承認者が行っている作業です。
このステップは単純な照合作業に過ぎません。これは人間がやるよりもロボットのほうが圧倒的に得意な仕事です。RPAを使っても良いでしょうし、Excelなどをプロセスに追加すれば簡単な関数で処理が完了します。
人間は感情の生き物です。悲しいことがあったり、眠たかったり、逆
にテンションが上がっていると集中力が散漫になります。だからこそ、思考停止で業務を増やさないでください。仕組みで解決をはかりましょう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら