押印地獄で仕事が停滞、「スタンプラリー」解決法 今日からできる「会社にはびこるムダ」の省き方

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紙代、印刷代、印刷機器の費用、保管するためのスペース費用、ファイル代にホッチキス代に、郵送費、印紙税、そしてそれらを作成したり購入するのにかかる私たちの人件費……。多大なコストがかかっています。そして、いつでもどこでも閲覧できない働き方への制約も無視できません。

そこでまずは「紙」への郷愁に浸るのはやめましょう。

紙の文書を電子化する意識を持ってください。従来は紙に印刷していた情報を電子ファイルやデータで保管し利用するようにします。会議資料は事前にデータ共有、当日は自身のPCを持ち込んだりプロジェクターに投影させる。現代の会議準備とは、美しく揃った紙と華麗なるホッチキス留めではありません。

また、紙でやっていた承認や決裁をスマホやPCで実施する「ワークフローシステム」。契約書の印刷や袋とじに時間をかけなくても「電子契約システム」があれば電子上で契約を完了することができます。これにより、印紙税のコスト削減はもちろんですが契約締結までにかかる時間が短縮できます。

また「わざわざ出力」のムダ作業を効率化すると、大量のデータが集められるようになります。

例えば、名刺情報をデジタルデータ化している企業はそのデータをどのように活用するのかを考えられます。営業日報(商談の進み具合、誰と連絡を取り合ったのか、どんな資料を見せたのか)、売上管理(受注金額、売上、利益)、メルマガやDM履歴などのデータを組み合わせながら分析して、最適な商談方法を検討したり、部下の育成につなげることも可能です。

「紙」からの卒業で日々の仕事を楽にして、新しい仕事の価値を創っていきましょう。

(『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』より)

「なんでもルール化」の弊害

日々仕事をしていると職場の中にたくさんのルールが存在することに気付きます。ルールがあることで、混乱やトラブルが回避されたりチームメンバーが一貫した方法で仕事を進められるので一定の品質を保ったサービスの提供が成り立ちます。

だからこそ、ルールは守られなければ意味がありません。

職場全体に浸透させて、そこで働く人たちに覚え続けてもらう必要があります。その上で、 ルールが破られた場合には罰則や対策が必要になるので、ルールが守られているかの監視の手間がずっとかかります。

そもそも、ルールを作ること自体にも莫大な時間がかかります。

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