簡単なのに「9割の人が間違える」東大の入試問題 「一見簡単、でも解けない」理由はある力の欠如

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まずは、「よくある間違い」を挙げさせていただこうと思います。

「続けようと思ったことを、3日間で諦めてしまう人のこと」

これ、1つ明確に間違っているポイントがあるのですが、みなさんは間違いを指摘できますか?

「え? 三日坊主の説明として、これって適切なんじゃないの?」と思った人もいるかと思うのですが、この答えは、言葉どおりに解釈しすぎていると言えます。


例えば、「俺って三日坊主だからさ〜」と人に言うとき、みなさんは先ほどの説明の意味で使っているでしょうか?

先ほどの説明のままで解釈すると、物事を「3日」でやめてしまうということですよね。2日でも4日でもなく、「3日」と書いているのですから、3日きっかりでなければなりません。

でも、「俺って三日坊主だからさ〜」と言うとき、「3日」という言葉にまったくこだわりはありませんよね。1日で終わっても三日坊主ですし、1週間で終わっても三日坊主と言える場合もあるでしょう。

だってみなさん、「三日坊主」って、もっと言葉通りに解釈するなら「三日+坊主」ですから、本当は「三日間で諦めてしまう男の子のこと」でなければなりませんよね。

「具体」から「抽象」を理解する

この「三日」とか「坊主」とかは、具体例でしかありません。「三日坊主」は、3日でも坊主でなくてもいいのです。というか、もしこの言葉が「三日+坊主」という意味なら、「三日がthree daysで、坊主はboyだから、three days boy」で正解になってしまいます。そんなわけはないですよね。

この問題は、あくまでも「意味」を聞いているのであって、意味以外は答えなくていいのです。それなのに、「三日坊主」の意味を質問されて「3日」を答えに入れてしまう人が多いのが、この問題なのです。

このような「具体的な例から抽象的なものを理解する」というのは、日常生活の中でも、実践している人としていない人がいます。

子どもが「ポケモンが好きで、スマブラが好きで、マリオカートが好きなんだ!」と言ったら、「じゃあ君はテレビゲームが好きなんだね」と理解できる人もいるでしょう。

「Aくんは、人にやさしくて、人のことをいつも気にかけてくれて、話しやすい人物だ」と聞いたときに、みなさんは「ということは、Aくんはいい人なんだね」と解釈して話す場合もあるでしょう。

この2つの例は簡単ですが、例えば仕事や自分の勉強のタイミングで、しっかり自分の言葉で噛み砕いて抽象化している人は少ないかもしれません。でも、この抽象化を求められるのが、この問題だったわけです。

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