50代の「指の関節痛」使いすぎではない意外な原因 食事やマッサージより効果的な対処法がある

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ところが、ダイゼインを腸内でエクオールに変換できる腸内細菌を持っているのは、約半数の女性だけだという。そのため、大豆食品よりエクオールなどのサプリメントを摂ったほうが効率がいいと考えられている。

エストロゲンを補うという意味では、ホルモン補充療法(HRT)を行うという選択肢もある。

ホルモン補充療法では、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを内服薬や貼り薬、ジェルなどで補う。さまざまなメリットがある一方で、ごくわずかながら乳がん、子宮体がんのリスクが上がるというデメリットもある(ホルモン補充療法については関連記事「【更年期障害】治療で「がんのリスク」は上がるか」をご覧ください)。

「その点、エクオールは乳がんなどのリスクがなく、誰でも摂取できます。飲み始めて3カ月程度で痛みがなくなったという患者さんは少なくありません。初期のうちにエクオールを試せば、痛みは治まる可能性が高いでしょう」(岩城さん)

一方、症状が出てから時間が経っている場合、エクオールだけでは痛みが治まらないケースが多いそうだ。

ところで、更年期に手指の症状が出やすい人はいるのだろうか。俗説では、「水分不足だとなりやすい」「コーヒーを飲みすぎるとなりやすい」などといわれているようだが、これについて「根拠はない」と岩城さんは一蹴する。今のところ、遺伝が関係するかどうかもはっきりしていない。

手指の症状は温める?冷やす?

では、更年期の最中に手指のこわばりや痛みなどの症状が気になったら、どうしたらいいのだろうか。

まず、温めるべきなのか、冷やすべきなのか、という問題。炎症が起こっているのだとすれば、冷やしたほうがよさそうに思えるが、寒い時期に関節が痛みやすいことを思えば、温めたほうがいいようにも思える。

岩城さんは「これから訪れる秋冬のほうが、夏に比べて患者さんが増えます。それは寒いと靭帯などの関節周囲の組織が縮んで、症状が悪化してしまうからです。ですから、お風呂では湯船につかる、冬は手袋をするなどして、できるだけ手を温めたほうがいいでしょう」と話す。

すでに手指が痛い場合は、酷使せずに休ませることも有効だという。痛みのある関節が動かないよう伸縮性のある医療用テープで固定して曲がらないようにする「テーピング」も有用とされている。ただし、きつく巻きすぎると血流が滞るため、正しいやり方については購入先の薬局やドラッグストアの薬剤師などに聞くといいだろう。

また、インターネットや書籍などで「手指の病気は自分で治せる」「手の関節痛を接骨院の施術で克服」「手指の疾患は食事で治せる」などと宣伝していたりするが、どれも明らかにおかしいという。

「手指の痛みの多くは、軟骨がすり減って起こるものです。ですから、揉みほぐしたり、食事を変えたりしても治りません。日本人は何事でも根性があれば治るなどと言いがちですが、手指を鍛えても治りません。荒療治はやめましょう」(岩城さん)

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