50代の「指の関節痛」使いすぎではない意外な原因 食事やマッサージより効果的な対処法がある

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女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)がある。このうち女性の健康に大きく関与しているエストロゲンの分泌量は、ライフステージによって大きく変化する。以下のグラフのように思春期に急増し、20〜45歳くらいの性成熟期を経て、更年期(閉経の前後5年間)になると急速に減少していく。

(図:koti/PIXTA)

エストロゲンが急激に減少する更年期に起こるのが、更年期障害だ。顔のほてり、過度の発汗、イライラなどの症状がよく知られているが、手指の不調が起こることはあまり知られていないという。

「エストロゲンには、さまざまな組織を滑らかに保つという作用があります。そのため、エストロゲンが減少すると、筋肉と骨とを結びつけている腱、その腱を包み込んでいる腱鞘(けんしょう)、関節を覆う滑膜、軟骨などが硬くなってしまう。その結果、炎症が起きやすくなるのです」(岩城さん)

同時にエストロゲンの減少や加齢などによって、骨と骨とをつないでいる靭帯が厚く硬くなって縮こまる。すると、骨と骨が強く引っ張られることで関節に圧力がかかり、軟骨が破壊される理由になると岩城先生は言う。

また、更年期だけでなく、妊娠・授乳中も手指がこわばったり、腱鞘炎になったりしやすい。これも妊娠・授乳に伴って一時的にエストロゲンの分泌が減ってしまうため。赤ちゃんの抱っこが原因ではないかと思いがちだが、こういった理由もあるのだ。

エストロゲンを補うサプリメント

このように女性の手指の症状にエストロゲンの減少が関わっているということは、エストロゲンを補うことで予防・治療ができる可能性があることを示す。

「当院では、エストロゲンによく似た構造を持つ大豆イソフラボンの代謝物であるエクオールのサプリメントを勧めていて、一定の効果を上げています」(岩城さん)

イソフラボンの一種であるダイゼインという成分は、腸内にいる腸内細菌によりエクオールに変換されることで効果を発揮する。昔から「更年期障害の改善には、納豆や豆乳をはじめとする大豆食品がいい」といわれてきたのは、こうした理由からだ。

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