「食べ過ぎなくても太る人」が抱える2つの問題 なぜ「バナナ」を1日2本食べるといいのか?
自律神経の乱れによる肥満は、昔から指摘されており、「モナリザ症候群」といわれています。モナリザ症候群とは簡単にいえば、自律神経の乱れによって交感神経の働きが衰えて代謝が悪化し、太りやすくなっている状態のことです。肥満の人の約7割がこの「モナリザ症候群」ではないかといわれています。
不眠などの生活習慣の乱れによっても自律神経の乱れは引き起こされます。
そして自律神経の乱れは、悪化するまで気がつきにくいもの。簡易的なものですが、ぜひ次のチェックリストで自律神経の状態を調べてみてください。1つでもチェックがつくと、自律神経が乱れている可能性があります。また、チェックした数が多いほど自律神経の乱れが大きいと考えられ、モナリザ症候群の危険性が高まります。
□やる気が出ない
□よく頭痛がある
□気分が落ち込みがち
□肩がこる
□イライラしやすくなる
□腰痛がよく起きる
□集中できない
□便秘や下痢ぎみ
□緊張しやすく、ストレスを受けやすい
□肌が荒れる
□よく眠れない
□手足が冷たい
□いくら寝ても疲れがとれない
□よく風邪やインフルエンザにかかる
□目覚めが悪い
腸で産生されるやせ物質「短鎖脂肪酸」
ここからは、勝手にやせる体になる2つ目の要素である「腸内環境を整える」ことについて、説明していきます。
腸内環境を整えて腸本来の働きを取り戻す腸活は、ダイエットには欠かせません。
その理由は、2つあります。1つは、腸と自律神経には密接な関係があるからです。
腸と脳とは、自律神経、内分泌系、免疫系の3つの経路を介して、互いに影響を及ぼしあう関係で、これを「腸脳相関」といいます。ストレスで下痢気味になったり、緊張するとトイレに行きたくなったり、おなかが痛くなったりした経験はないでしょうか?
これは、ストレスによって自律神経が影響を受け、コントロール機能が乱れ、大腸の働きに異常をきたしたことによって起きる現象です。
また、逆に腸内環境が悪くなると、脳が不安を感じ、自律神経が乱れやすくなるといわれています。うつ病の人に便秘の人が多いのも、この腸脳相関の関係性からくるものといえるでしょう。
腸活がダイエットに欠かせない2つ目の理由が、腸の中にいるビフィズス菌などが「短鎖脂肪酸」というやせる物質を産生してくれるからです。
「短鎖脂肪酸」にはいくつかの種類があり、どれもさまざまな健康効果から今注目されている物質です。
なかでもダイエットと結びつくのが「酢酸」と「酪酸」です。
「酢酸」は、脂肪細胞に余分なエネルギーが取り込まれるのを防いで、脂肪をたまりにくくしてくれます。
また、「酪酸」は、交感神経に働きかけて、心拍数や体温を上昇させ、代謝を高めてくれる効果があります。
この「短鎖脂肪酸」の恩恵をうけるには、善玉菌が元気でなくてはなりません。
そのためには、善玉菌が元気に活動できる環境を整える必要があります。
そして、その環境こそが腸内に便がたまっていない状況なのです。つまり、代謝を下げる自律神経の乱れから身を守るためにも、やせる物質である「短鎖脂肪酸」を体内で多く産生するためにも、腸内環境をよくする腸活は、欠かせないものなのです。
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