30代で「妻と死別」した夫が以後選んだ意外な人生 国家公務員の職を捨て、私生活も激変

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Zoomでのインタビュー取材に応じてくれた誠さんは清潔感のある外見で、若々しく率直な口調で話してくれる。他界した明美さん(仮名)とは文通で知り合って3年間交際して結婚。初めて付き合った女性だったという。

「彼女は僕と結婚するまでは夜の仕事をしていたので、お酒を飲むことが習慣になってしまっていました。遺伝的に糖尿病のリスクが高かったのですが……。血糖値の管理などが不十分で透析になり、最終的には衰弱して亡くなりました」

誠さん自身も自己管理とは程遠い生活だったらしい。公務員の信用力でクレジットカードは「作り放題」。趣味の車にお金をどんどん使ってしまい、ローンの返済に追われる日々。お酒は飲まないけれど食べたいだけ食べていたら、身長160センチなのに体重は85キロにまで達してしまった。現在はロッククライマーのように細身な誠さんからは想像もできない。

「それでも夫婦仲は良くて楽しい結婚生活でした。一人で過ごすよりも、誰かと人生を分かち合いたいという気持ちは死別後も変わっていません」

再婚を目指した誠さんが決めた「2つの条件」

明美さんとの間にも子どもが欲しいと思っていたが、彼女の病気が進行したこともあってかなわなかった。8年前に再婚を目指して婚活を始めたとき、誠さんの中には譲れない2つの条件ができあがっていた。

1つ目は子どもを作ること。自分自身は40代に突入していたが、お見合い相手の女性は35歳未満に限定した。国家公務員のままだったら可能だったかもしれないが、契約社員の立場では難しく、結婚相談所では1年半の活動で2人としかお見合いができなかった。

2つ目の条件はさらに結婚のハードルを上げるものだった。「前の結婚は夫婦ともに自己管理ができず、前妻は医者のモルモットのようにされて亡くなってしまった」という思いが強烈にあり、自分だけでなく結婚相手にも徹底的な自己管理を求めたのだ。酒やたばこはもっての他で、出産も子育ても病院や学校にできるだけ頼らないという方針である。

「グータラしているような伴侶を守っていきたいとは思わないからです」

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