30代で「妻と死別」した夫が以後選んだ意外な人生 国家公務員の職を捨て、私生活も激変

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こんなことを公言していたら、数少ないお見合い相手からも「フェードアウト」されるのは無理がない。しかし、ストイックな誠さんは自己改革と行動も怠らなかった。

「僕は女性からモテないので、伝説のホストのセミナーに出てコミュニケーションスキルを教えてもらいました。まずは男女問わずに人から好かれることが基本なのだそうです。相槌と笑顔の大切さも知りました」

このセミナーで自信をつけた誠さんは他の集まりにも参加。結婚相談所以外でも独身女性との出会いを探すためだ。現在の妻である千晶さん(仮名、38歳)との知り合ったのも、都内で開かれていた「朝活」だった。

お互いにちょっと「ヤバい」2人

「参加者がそれぞれ自分の夢を語る時間があり、家内は『世界平和!』なんて言っていました(笑)。この人、ヤバいな~という第一印象でしたが、僕の夢に共感してくれたことが心を許すきっかけになり、そのときの妻は30代前半だったので食事に誘いました」

千晶さんが30代半ば以降だったら誘わなかったと言い切る誠さんが語った夢はもっと「ヤバい」。子どもが欲しいけれど医者には頼りたくないので自宅出産をするのが夢だと話したのだ。出産するのは誠さん自身ではないし、まだ結婚相手すら見つかっていない段階である。

それに共感する千晶さんはどんな人なのか。Zoom画面越しには寝グセがついたままのショートカットとメガネ姿の女性が緊張気味に座っている。家の中もかなり散らかっているのが見え、誠さんが要求する「自己管理」が得意な人には見えない。その点については後ほど触れる。

誠さんとの出会いの場となった朝活に参加したとき、千晶さんはまだ前の夫との離婚が成立していなかった。生活費の使い込みと暴力に耐え兼ねて逃げ出し、マンガ喫茶やシェアハウスを泊まり歩いている状況だった。

「前の夫とは婚活パーティーで知り合って、28歳のときに結婚しました。キレやすい人だとは知っていたのですが、結婚後には鉄道の趣味にお金を使い過ぎて家賃を半年も滞納していることがわかったんです。私の名義でカードローンもされてしまい、それに抗議したら殴り合いのケンカに……。女の私がかなうわけもなく、背負い投げとかをされました」

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