男にも「女子力」が求められる時代になった 吉田正樹×太田彩子「女性の仕事観」<下>

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吉田そうは言っても、会社も社会もまだまだ男性の論理で動いています。だから女子力を考えるというのは、今のメインストリームじゃないもの、現状のやり方にそぐわない価値観をちゃんと認めることと同義だと思いますね。セクシャルマイノリティのことを考えるのと同じ。

太田前回、女性のキャリア観は「横展開」という話をされていましたよね。とにかく「階段を上がりたい」男性と違って。

吉田横展開とはつまり多様性です。対して男性はなにごとも重層的に積み重ねていく。今までつきあってきた女の話をするのも、たいてい男です(笑)。

太田確かに女性は、あまり覚えてないですね、過去は。

男は「すぐに曲がれない」

吉田正樹氏著書『メディアのリアル』(プレジデント社)が発売中! 2014年4?7月に立教大学で行われた吉田氏とゲスト講師との講義「日本のコンテンツ産業は世界に通用するか?クールジャパンを考える?」の内容を再構成した一冊です。

吉田太田さんを見ていると、転身しても「積み上げてきたキャリア」に執着している感じがしないですよ。ご自分の中での筋は通っているんでしょうが、周りからしたら、「え、今日からそういう仕事なの?」って驚く。

太田よく言われます(笑)。

吉田男は編集者だったら編集しかできない。明日からカフェ勤務なんて到底受け入れられない。突然の部署異動にも対応できないものです。

太田へえ、そうなんですか。

吉田男は「すぐに曲がれない」のですよ。あとですね、昔『話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く』というベストセラーがあったけど、そもそも女性は地図なんか必要としない。地図なしでいけることのほうが強い。地図を頭に入れて、決めてから動くってことが通用しない時代になっちゃいましたから。

太田なるほど。

吉田立教の学生が講義で「じゃあ、どうすればいいですか」とよく聞いてきたけど、その問い自体がダメですよ。それって地図を求める行為でしょう。たとえて言うなら、東洋経済オンラインを読むだけじゃダメなんです。東洋経済オンラインに「何が書かれていないか」を見つけて、かつ、それを自分で書けるような人にならないと。

太田東洋経済オンラインに物申す感じになりましたが(笑)。

吉田ただ、自分以外の誰かが何をやっているかを知るために、東洋経済オンラインは每日読んだほうがいいかな。

太田ちょっと上げましたね。

吉田はい、上げました(笑)。

(構成:稲田豊史)

営業部女子課とは、主宰の太田彩子が2009年に立ち上げた、営業女子を応援するためのコミュニティです。女性営業職の活躍の場を広げることで、結果男女ともに輝きながら働ける社会創造を目指しています。詳しくはこちらをご覧ください。講演・セミナーのお問い合わせはこちら→kouen@yoshidamsaki.com

 

太田 彩子 「営業部女子課」主宰

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おおた あやこ / Ayako Ota

一般社団法人 営業部女子課の会 代表理事(「営業部女子課」主宰)。早稲田大学卒業後、リクルート・ホットペッパーの企画営業として社内表彰であるMVP制度にて表彰を複数回受ける。その後独立し、ダイバーシティプロジェクトや女性活躍支援に携わり、のべ5万人以上の女性営業を支援してきた。2009年より営業女子のための応援コミュニティ『営業部女子課』を全国で展開し、営業女子の活躍を目的とした勉強会やイベントを開催。NHK「グラン・ジュテ」や日本テレビ「news ZERO」、日経新聞などメディア出演多数。代表著書に『売れる女性の営業力』(日本実業出版社)、『1億売るオンナの8つの習慣』(かんき出版)、『営業女子 働き方の基本がわかる教科書』(プレジデント社)などがある。内閣府特命担当大臣表彰「平成28年度女性のチャレンジ賞」受賞。日本政府主催「WAW!2016」アドバイザー。株式会社ベレフェクト代表取締役。アライドアーキテクツ株式会社社外取締役。太田彩子ブログはこちら。営業部女子課サイトはこちら

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