管理職の給与が激安な日本企業の特殊な甘え構造 目先の利益は確保できても競争力は衰退する
一方、ミドルは、部下や関係者と日常的にやり取りする必要があり、高度なコミュニケーションスキルが必要です。もちろん多数のミドルに通訳をつけるわけにはいきません。そのためミドルは、普遍的な言語を使う国(英語圏)には移動しますが、日本のような特殊な言語を使う国には移動しません。
仮に日本企業が高給でミドルの求人を出したとしても、海外の優秀な人材が応募してくることはないでしょう。一方、「1000万円もあれば十分」と低い給与で働いてくれる日本人がいます。したがって会社側は、給与を引き上げる必要はありません。これが、日本のミドルの給与が激安な理由です。
つまり、日本のミドルは、「日本語の壁」によってグローバルな人材競争から守られていると同時に、低い給与を余儀なくされているのです。
日本企業はぬるま湯に
日本のミドルが現在の給与水準に満足し、経営者・人事部門もミドルを低コストで雇うことができる――。一見ウィン=ウィンの関係のように見えますが、本当にそうでしょうか。
職場で日本語しか使わない伝統的な日本企業には、海外の優秀な人材が集まりません。優秀な日本人が逆に「英語の壁」で日本国内にとどまっているという面はありますが、近年は、高給を求めて外資系企業に就職・転職する動きが顕著です。
つまり、低給与の日本企業は、海外はもちろん、国内の優秀な人材からもスルーされ、給与も生産性も低い人材しか集まらなくなりつつあります。
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