2階に上がる階段下の押し入れを開けると、ここにもしばらく使っていなさそうな荷物が詰め込まれていた。その形からネズミのものだと思われる糞がこびりついていたので、押し入れが住処になっていたようだ。
背の高い家具の上にもネズミの糞が散乱していて、臭いもかなりきつい。親が一人でこの家に住んでいたらと考えると、子どもとしては心が痛んでしまいそうな状況だった。
「部屋をきれいに維持してあげられなかった」と後悔
この家に住んでいたのは依頼者の両親だった。長らく夫婦で暮らしていたが、10年前に妻が他界し、夫(依頼者の父親)が一人で住んでいた。しかし、高齢ということもあって施設に入所することになり、残された子どもが家を片付けることになった。
本来ならば、母親が亡くなった時点で一度片付けをしておきたかったところだ。しかし、そこで放置してしまったがゆえに、今になってそのひずみが出てきてしまった。
依頼者は両親が一緒に暮らしている間も、父親が一人で暮らしている間も、ほとんど実家の様子を見に来ていなかったそうだ。今回、必要に駆られて久しぶりに実家に入ってみると、冒頭のような状況に直面し、「部屋をきれいに維持してあげられなかった」と後悔が残ったという。依頼者はそれほど遠くない場所に住んでいたようだが、なぜ荒れる実家を放置するようなことになってしまったのか。見積りのときの様子を二見氏が話す。
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