解けないと「勉強以前の問題」簡単すぎる東大入試 頭の良い人は「言葉に対する感度」を鍛えている

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この問題は、質問の仕方が巧みです。

この質問の仕方だと、「ある重要な資源? 高知県と香川県で産出する資源って何があったっけ? 『重要な』って言ってるってことは、有名なもので、僕たちの生活にも直結するようなものだろうけど。でも、石油とか石炭とかは取れないはずだし」と、ドツボにハマってしまいます。逆に、「香川県が高知県からもらっているものを答えなさい」くらいだったら、答えられる人はもっと多かったはずです。

この問題を難しくしているのは、「ある重要な資源」という言葉です。

資源といえば、天然資源・鉱石・石油とか、そういうものを想像しますよね。でも、高知県とか香川県とかで、その手の資源がたくさん取れるという話って聞かないですよね。

逆に、この問題が簡単に感じられる人は、この「資源」という言葉の定義をしっかりと理解している人だと思います。資源という言葉は「生産活動に使う物資」のことを指します。なにも、石とか燃料だけを指す言葉ではないのです。生きるために必要な水・食料も含めて「資源」なのです。

ここまでで、答えがわかったという人も多いのではないでしょうか。

正解は、「水」です。

香川県は降水量が少なく、テレビや新聞でも夏になると「香川県の水が不足している」ということが全国的にニュースになることがあります。そしてそんなとき、どこに頼っているかというと、吉野川を通じて、高知県にあるダムから水を供給しているのです。

これこそが、問題文で書いてある「ある重要な資源をやりとり」なのです。「香川県の人の生活に必要な資源」=「水」であり、これを高知県から香川県に供給しているというわけです。

どうでしょう?「香川県は水が不足しがちで有名だって話は知っていたけど、解けなかった」という人も多いのではないかと思います。

日常から「言葉の定義」を意識する

この問題が解けるかどうかは、勉強以前の問題です。言葉の定義をしっかりと理解しているかどうか、言葉に対する感度が高いかどうかが問われているのです。

頭の良い人は、言葉の定義をしっかりと理解している人だと言えます。人の話を聞くときでも、本を読んでいても、ちょっとした言葉の選び方を見て、「ああ、この人はこう考えているんだな」という深い部分を理解します

例えば、「これは恣意的に決められたルールだ」と言われたら、みなさんはどう解釈するでしょうか。恣意的とは、論理的な必然性がなく、個人の感情に任せる様子のことを指します。

だから、この言葉は「このルールは、感情的に決められたものだよね」という解釈をすることができます。

その上で、この恣意的という言葉は、ほとんどの場合、否定的なニュアンスで使われます。「個人の感情に任せて勝手に決められたもの」という否定の意味が強いので、この言葉は「このルールは、わがままに決められたものだから、間違っている」と言いたいのだとわかります。

頭の良い人ほど、他人の話を聞くときも、相手に話すときにも、言葉選びにとてもこだわる傾向があります。頭が良い人であればあるほど、言葉の選び方がすごく上手なのです。

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