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<データで読み解く>コロナ禍を超えたトランプショックの不確実性、「アメリカ国債と通貨の危機」が急増、アメリカ利下げ予測も激変

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トランプ大統領が世界に対する相互関税を発表した4月初旬以降、市場の不確実性が急増したことはデータも裏付けている(写真:designer491/PIXTA)

トランプ大統領は就任後数カ月で、世界の見通しを近年まれに見るほど曇らせている。ここではCEICのデータを活用して市場の不確実性の高まりを見ていこう。

コロナ禍やリーマンショックを上回る過去最高に

まず、「経済政策不確実性指数」(Economic Policy Uncertainty Index<アメリカ>)を確認してみよう。

この指標は、著名な新聞の記事から、経済的な不確実性や政府関連のキーワードを検索して生成されるものである。トランプ大統領が相互関税政策を発表すると、この指標は急激に上昇し、4月中旬にはついに2020年初頭の新型コロナウイルスのパニック時に見られた水準を大幅に上回った。現在も過去最高水準を維持している。

次に経済政策不確実性指数について項目別にみてみよう。

英ロンドンにヘッドクォーターを置くグローバルな経済統計データベース「CEICデータ」。同社のエコノミストが多彩なデータを活用して世界各地の状況を読み解きます

トランプ大統領は就任直後から中国やカナダ・メキシコ、鉄鋼・アルミ、自動車に追加関税を課したり修正したりしていたため、「貿易」項目は国家安全保障と並んで最も不透明なカテゴリーとなっていた。これは当然のことだ。

注目すべきは「国債と通貨の危機」項目の不確実性指数である。これは3月までは最も不確実性の低い項目だったが、4月に入ってからは世界の安全資産としてのアメリカ国債とドルの持続可能性が懸念されて急上昇した。

「金融政策」項目の不確実性も上昇している。先物市場に関するニュースのヘッドラインを見れば、トレーダーがFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の利下げに関する予測をどのように大きく変化させたかがわかる。

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