罵声は来ない「女性3人」のごみ収集チームの凄み 収集に来てくれるのを楽しみに待つ高齢者も

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一方、6月12日にも別の女性収集チームが、小雨の降る中、新大型特殊車で大規模マンションから排出されるごみを収集する様子も見学した。

マンションの隅や地下の倉庫に並べられた「反転コンテナ」(ごみのコンテナ)を、清掃車のフックにかけリフトで持ち上げて積み込む作業であり、大都市ならではの収集形態であった。マンションの管理人も立ち合い、手際よくごみを収集していく作業が続けられていった。

(左)機械を操作しコンテナのごみを積み込んでいく/(右)大規模マンションから排出される膨大な量のごみ(筆者撮影)

女性チームが来るのを楽しみにしていた高齢者

コンテナでの収集は、平場を動き回り集積所のごみを個々に収集していく作業形態と相違し、労力がそれほどかからない作業となる。

だが、中にはコンテナの底にへばりつくごみもあるため、清掃車に常備している「引っかき棒」で取り出す。それでも取り出すのが難しい場合には身を乗り入れてごみを取り出す作業もあり、汚れや臭いと闘う作業環境となる。また、ごみがこぼれ落ちることもあり、収集箇所を綺麗に掃除して原状回復していく必要も生じる。

(左)身を乗り入れて底のごみを取り出す作業/(右)こぼれ落ちたごみを拾い原状回復していく(筆者撮影)

当日はコンテナでの収集が主となるコースであったため、マンション管理人や近隣住民から声をかけられる場面が多く見られた。話しかけた方々に伺ったところ、「女性のほうが話しかけやすい」「細やかに対応してくれる」「同じ女性として尊敬する」といった声が聞こえてきた。

ちなみに声をかけてきた高齢の方は女性チームが収集に来るのを楽しみに待っていた。わずかな時間であるが高齢者の話し相手になるのは、ごみ収集が福祉サービスにもなる一面にも見えた。

(左)管理人とのコミュニケーション/(右)住民とのコミュニケーション(筆者撮影)
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