ごみ収集という仕事からは3K(きつい・汚い・危険)がイメージされるため、男性が中心の職場と思っている人もいるだろう。しかし、現状は必ずしもそうでなく女性も働いている。筆者が研究対象とする東京23区の清掃事業でも、区の女性清掃職員(公務員)のみならず、清掃業務を請け負う会社[雇上(ようじょう)会社]の清掃車に乗務する女性運転手や女性作業員が活躍している。
そのなかでも近年、人手不足の打開策として、女性だけの収集チームを編成して作業する検証が行われている。罵声を浴びせるなど論外だが、女性のみだと「邪魔だ」「くさい」といった強い言葉を投げてくる一般人が減るという。一方、「力が必要な作業のときにキツい」という声も聞こえてきた。本稿ではその取り組みの現場に迫ったうえで今後を展望してみたい。
女性3人によるごみ収集
東京23区の可燃ごみ収集は、基本的に収集作業員2名と清掃車の運転手の合計3名で行われている。
今回の検証は、女性のみの収集チームを編成し、通常どおり割り当てられるルートでどのような問題が生じるか、女性が継続して業務を遂行していくための課題を把握する趣旨で行われた。また、そこから得られる効果を明らかにし、今後の可能性を探る取り組みともしている。
これは東京23区の清掃業務を請け負う50社で組織する東京環境保全協会が区にもちかけて実現した。2022年11月に続き、2023年6月に2回目の検証が実施された。筆者は協会傘下の白井運輸と都清掃の協力を得て、2度にわたり足立区での収集の現場を見学した。
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