川崎重の好業績支えるボーイングとの深い縁 重工大手2社の航空部門トップに聞く(上)

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川重が製造する787用の前部胴体。ボーイングの増産を受け、胴体の製造も繁忙を極めている

――現時点における利益の柱は777関連の仕事ですか。

777は1990年代に量産が始まった機体だが、今もなお月産8機以上のハイレートで生産されている。すでに設備の償却が進み、生産も熟練の域に達しているので、利益への貢献度は大きい。

一方、787(初号機の納入開始は2011年)は量産開始から日が浅く、今はまだ開発費や設備投資の償却負担が重い。ただし、787の月産機数は前期で早くも10機に達しており、ボーイングの生産計画では、来年にかけて月産12機、2020年までに同14機へ増えていく計画になっている。利益の面でも将来の太い柱になるのは間違いない。

「787は非常に大きなチャレンジだった」

――その787の専用工場として、350億円を投じた名古屋第1工場の新棟(東棟)が3月に竣工した。

ボーイングはまず787の標準型「-8(ダッシュエイト)」を開発し、次に長胴型の「-9」を投入して、現在は超長胴型「-10」の開発を進めている。今回の新工場は「-8」「-9」のさらなる増産と、「-10」の生産開始に対応したもの。787用の工場としては、北と南、今回の東で3つ目。非常に速いペースで787の生産レートが上がっているので、早め早めに対応しないといけない。

787の仕事は非常に大きなチャレンジだった。胴体は炭素繊維複合材(CFRP)による一体成形。アルミ合金製の小さなパネルを組み合わせていく従来機の製造方法とはまったく異なり、機械でCFRPを筒状に積層して、それを丸ごと巨大なオートクレーブに入れて焼き固める。

CFRPで旅客機の胴体を造るのは787が世界で初めてだった。生産設備にしても、オートクレーブは自分たちでイチから造った。量産に至るまでいろいろなトラブルに直面したが、苦労した甲斐があった。

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