川崎重の好業績支えるボーイングとの深い縁 重工大手2社の航空部門トップに聞く(上)

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日本では馴染みがないが、1980年代に誕生した機体で、1000機以上が販売された。今も米国では多くのエアラインが運航しており、その後継機を求める声も多い。ボーイングがその後継機を出すなら、ぜひとも手を挙げたい。

ボーイングの要求に食らいついていく

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787胴体の艤装作業の様子。配管や配線などの艤装も済ませた後、米ボーイングの工場へ出荷する

――ライバルとしてアジア勢に脅威を感じているか。

今、当社と同じ胴体部分を任されている企業は、世界を見渡しても、イタリアのアレーニア、米国のスピリット・エアロシステムズなど欧米の一部企業に限られる。

設計能力や生産技術、品質管理、納期の正確さなど総合的に見て、まだアジア勢とは差があると思う。特に787のようなCFRPによる巨大な胴体の一体成形は、そう簡単にできるものではない。

ただし、韓国のKAI、台湾のAIDC、マレーシアのCTRMといった企業は着実に力をつけてきている。将来的には手ごわいライバルになるだろうし、ほかの産業と同様、技術的な難易度が低いものは人件費の安い国に流れていくだろう。

――777から777Xに移行するにあたって、ボーイングは降着装置などのサプライヤーを変更した。

詳細な理由は存じ上げないが、いくら実績があっても、要求に応えられなかったら、容赦なく外されうるということ。決して、今の仕事がずっと保証されているわけではない。よそには頼めないだろうなんて高をくくっていたら、ライバルに仕事を奪われる。

ボーイングは世界中でエアバスとの熾烈な販売競争をやっている。われわれとしても、今のポジションを守り続けるには、ボーイングの厳しい要求に食らいついていく必要がある。品質、コスト、納期の正確さ。そのどれか1つを欠いても駄目だ。そのためにも、地道な改善活動と技術、生産革新へのチャレンジを常にやっていく。

渡辺 清治 東洋経済 記者
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