「兵庫のタイガース優勝」を大阪人が喜ぶ複雑背景 大阪の御堂筋パレードめぐる曰く言いがたい事情

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2021年、京セラドームで行われたオリックス・バファローズのホーム開幕戦、来賓の松井一郎大阪市長(当時)は「御堂筋空けて待ってますから、パレードしてください」とあいさつしたが、実際に優勝してしまうと、松井市長は「(コロナ禍もあるし)難しいかな」と言葉を濁した。御堂筋パレードはバーチャルで行われた。

2022年、オリックスはリーグ連覇を果たし、11月3日、南海、阪神に続き、晴れて御堂筋パレードを行った。筆者も観に行ったが、穏やかなパレードだった。

ちなみに2022年のオリックス優勝時も、道頓堀川にダイブするファンが出る恐れがあると見て警察は警戒したが、一人も飛び込まなかった。「道頓堀ダイブ」は阪神の専売特許のようだ。

阪神、オリックス合同で御堂筋パレード?

さて、2023年である。阪神タイガースはセ・リーグで優勝して「御堂筋パレード」をする権利を手にしたが、パ・リーグもオリックスが2位ロッテに10ゲーム以上をつけて優勝が秒読みとなっている。

今年は阪神、オリックスともに御堂筋パレードを挙行することになるのか。吉村洋文大阪府知事は「合同でやればいい」とコメントして、両チームのファンから反発を食らったが、実際問題として、幹線道路を封鎖する大イベントを2回も実施するわけにはいかない。

例えば「日本シリーズで勝ったほうがパレードをする」とするのか、吉村知事の言うように合同でやるのか興味は尽きない。

ただ「阪神は兵庫県のチームやから大阪の御堂筋でパレードするのはおかしい」という大阪人はもはやかなりの少数派だろう。少し寂しい気もする次第だ。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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