納車が10カ月先という異例の人気ぶり
ホンダが放った新型の軽スポーツカー「S660」。多方面でニュースとなって久しい。軽自動車の常識からすると高価な車両本体「198万円~」という価格設定ながら、月間販売目標である800台を大きく上回るセールスを記録中で、今から注文を入れたとしても納車は2016年3月以降という人気を誇っている。
かつてホンダが販売していた軽スポーツカー「ビート」というモデルがあった。「S660はビートの焼き直しだ」との声もあるが、S660の開発責任者である椋本陵氏以下、開発陣は「ビートはホンダが誇るすばらしいクルマの1台ながら、S660を開発するにあたっては特別な意識はしなかった」ときっぱり口をそろえる。
とはいえ、軽自動車のスポーツカー、さらにオープンモデルであることからわれわれユーザーからすれば“再来”というレッテルを貼りたくもなる。
それを覆す確かなルーツがある。今から約52年前の1963年10月に登場したホンダのスポーツカー「S500」だ。「S500」はホンダ初の普通乗用車(初の4輪車は商用トラック「T360」)であり、同社の本格的な4輪事業を記念する特別なクルマだった。
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