ホンダ新型「アコード」日本導入で起爆剤となるか 国内消滅からの返り咲き、初搭載の機能で勝負

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ちなみに、やはりホンダ開発者によれば、新型モデルの競合車としては、トヨタが2023年秋に発売を予定する「クラウンセダン」や、レクサス「IS」あたりを想定しているという。クラウンセダンも価格は未発表だが、ISの価格(税込み)は最も安い2.0LターボエンジンのIS300で481万円。ハイブリッド車の最安モデルであれば、2.5LハイブリッドのIS300hが527万円だ。ホンダが、これらをもし競合と考えているとすれば、新型アコードの価格は、安くても500万円台前半になることが予想できる。

ホンダがアコードで狙うユーザー層

新型アコードのラゲージスペース
新型アコードのラゲージスペース(写真:三木宏章)

アコードは、先に述べたとおり、50年近い長い年月で根強い人気を持つロングセラーモデルだ。ただし、国内では、近年セダンモデルの人気は凋落の一途。そうした傾向はホンダ車も例外ではない。かつてフラッグシップだった大型セダン「レジェンド」はすでにラインナップから消滅しているし、アコードの先代モデルも、これも先述したとおり、発売から約3年で販売終了という、最近のモデルとしては短命に終わっている。

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そんな中、あえてセダンのスタイルを継承して登場したのが新型アコードだ。先代モデルでは、昔からのホンダファンなど、「50代後半から60代」といった高い年齢層のユーザーが主流だったそうだ。ホンダによれば、新型モデルのターゲット層は、それら従来のコアユーザーに加え、「40代後半~50代前半」の比較的若い層も取り込みたいという。

そして、そのために、ここで紹介したような先進装備を数多く投入したのが新型アコードだ。さらに、ホンダでは、このモデルを「今後登場する国内仕様車の基軸となる」とも言及する。それほど、今回搭載する新しい機能や技術は、ホンダがかなりの自信を持って世に送り出したものだといえる。

いずれにしろ、ホンダのこうした戦略が、いかに市場に受け入れられ、ホンダ伝統のブランドといえる「アコードの復権」へとつながるのかが興味深い。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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