ジャニーズ「焦りの報酬放棄」次に予想される事態 「タレントに罪はない」に本人たちも問われる判断
被害者への謝罪と救済の方針、社長の交代を発表するはずの会見で、わざわざファンに向けて語ったのは、本音もあったかもしれませんが、ファンビジネスという今後の生命線を意識したものにも見えたのです。
「タレントに罪はない」は今だけか
ちなみに現在一部で「広告見送り」を発表した企業の不買運動をうながすような声も挙がっていますが、大きな動きにつながることはないでしょう。
ジャニーズ事務所のタレントを応援する人の中には、「自分の“推し”は不買運動を望んでいないだろう」「ファンの不買運動程度で人権問題は揺るがない」と考えられる常識的な人も多いと思われるだけに、応援の熱が上がっても不買運動の熱は上がらないのではないでしょうか。ファン以外の消費者もそこまでの運動に動くかというと未知数です。
では、その所属タレントたちには、どんな未来が考えられるのか。経済同友会の新浪代表幹事は、「(ジャニーズ)事務所で働くタレントの方々には、大変心苦しいことはあるが、他の事務所に移るなど、いろんな手があるのではないか」などと一歩踏み込んだコメントをしていました。
確かに、もし海外のタレントなら、すぐに事務所を移籍して、活動やイメージの影響を最小限にとどめようとするでしょう。また、それ以前に「“子どもへの性加害を認めた事務所のタレント”とみなされることに耐えられない」ことのほうが大きいかもしれません。
民放各局のコメントを中心に「タレントに責任や罪はない」という声が広がっていますが、彼らがその視点で見てもらえるのはジャニーズ事務所の対応が遅く不十分な今だけ。今後は「自らの意思でジャニーズ事務所に残った」という目で見られるだけに、東山社長が「退所した人に圧力はかけない」と明言したことも含め、ジャニーズに残るも辞めるも自己責任となっていくでしょう。
実際、ファンたちの多くはジャニーズ事務所ではなく、所属タレントやグループに愛情を注いでおり、退所しても応援をやめないのではないでしょうか。しかし、問題はジャニーズ事務所のタレントは、その大半がアイドルグループのメンバーであること。グループ間で意見をそろえるのは難しく、さらに退所したらグループ名や楽曲などを使えなくなるなどのリスクがあるため、「できるだけ現状維持でいきたい」と考える人が多いとしてもおかしくありません。
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