ガン発症5年、コンサルタントが感じる後悔と感謝 ガン患者のサポートを「受ける」から「する」側へ
一方で、治療時の経験を活かせるケースも少しずつだが出てきている。例えば、ヘルスケア領域の事業で特に患者支援にフォーカスしている事業者とのコミュニケーションに私の経験は非常によく役立っている。彼らがつくりたい社会的インパクトを検討する際も、患者が治療を自分事にするために必要不可欠と認識したヘルスリテラシーやヘルスコミュニケーションの考えを活用した。
また、会社の健康経営促進の取り組みに関われないかと思案している。人事部に私が休職中に出会ったがん患者さんの治療と仕事の両立支援をしているNPOの知人を紹介し、会社がこれから展開していく健康経営にかかわる活動を一緒に検討していく提案を行った。私も社内ボランティアとして同僚達に自分の経験をシェアする等、貢献していくつもりだ。
経験者として患者さんをサポートしたい
Sさんのように、休職中に出会った人々は私の人生にとって財産だと感じている。自分が歩んできた道を忘れないためにも、休職中に培ったご縁はこれからも大切にしていきたいと考えている。また、当時支えてくれた友人にも感謝し続けたい。たまに会って当時の思い出話をすると、どれだけみなに世話になり、支えられたか自分が思い出すことができる。だからこれからも友人らと一緒に過ごす時間をもつようにしたい。
年齢が上がるとともに、友人・知人からがん治療に関する相談を受ける機会も増えてきた。白血病を治療して5年経ち、私の人生に病が落とした影が薄くなってきているが、病と闘っている人を支えたい気持ちは弱まらない。自分が患者だった時にしてもらってありがたかったこと、助かったことを思い出して、私も自分なりに精一杯、治療にこれから向き合う、また向き合っている方々のサポートをしていきたいと思う。
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