週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
ライフ

「低評価レビュー」プロが教える意外な読み解き方 その店の真の姿がリアルに浮かび上がってくる

7分で読める
  • 稲田 俊輔 南インド料理専門店「エリックサウス」総料理長
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

おいそれと貶されないようにするためには、その店の思想・方針・ポリシーなどを世に広めていく必要がありますし、そもそもそのコンセプトが「貶しづらい」ものである必要もあります。自分で言うのもなんですが僕はそういうことに関しては狡猾ですし、それをアピールする、SNSや各種ネット上のメディアなどの場も持っています。

しかしすべての店がそうとは限らない。よしんばそういうことをやれていたとしても、関係なくそこに突撃してくる無敵の人はいます。なので、店を的確に理解した高評価レビューがたまることが、ほとんどのお店にとって唯一、それを回避する方法となります。

並べて見ると、低評価レビューのどの部分が「無理解」に基づいており、どの部分がある程度的確なものかがわかるからです。

レビューサイトはないほうがいい?

しかしそれとて無理解に基づく低評価を完全には回避できません。そもそもそこまで比較して読み込んでもらえる保証もありません。

だから世の中の結構な割合のお店の人が「レビューサイトなんて無くなってしまえばいいのに」と思っていたり、自分からはそれを絶対見ないようにしていたりもします。

『お客さん物語:飲食店の舞台裏と料理人の本音』(新潮新書)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ただ個人的にはそれはそれで少しもったいないとも思っています。割合は少ないかもしれませんが、改善のヒントが得られることも確実にありますし、何より「褒められてうれしい」という、飲食業をやっていくうえでのある意味最大のヨロコビも得られるので。

あとは1件の低評価ごときにクヨクヨしないようメンタルを鍛えるしかないのでしょう。現実的には1件の低評価より10件の高評価のほうが世間に与える影響は大きいわけですし。

もっと言えば実際は、レビューの何十倍何百倍ものお客さんが実際に店を訪れて楽しんでくれているわけです。あえて星は付けずとも、高く評価しているから通ってくれているファンがその店には大勢いる。

この幸福な事実を改めて噛み締め、レビューサイトとはほどほどに付き合っていく──これが現代の飲食店主に求められる処世術なのかもしれません。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象