「低評価レビュー」プロが教える意外な読み解き方 その店の真の姿がリアルに浮かび上がってくる
ただしこれは、あくまでお客さん、消費者側だけから見た話です。
ある時こんな質問を受けました。
「お店の人は飲食店レビューで好き放題書かれることをどう思ってるんですか?」
この答えは基本的には大変シンプルな話で、高評価が付けばうれしいし、低評価が付けば悲しい、それに尽きると思います。
このうれしい悲しいは、それが店の集客・売り上げを左右するという純粋にビジネス的なものと、単純に人として褒められりゃうれしいし貶されりゃ悲しい、というプリミティブな感情がミックスされています。
低評価の多くはマッチングミス
そこでとても重要なポイントがあります。
たとえ10件の高評価があったとしても、1件の低評価があれば、高評価のうれしさなんて全部吹っ飛んでしまうのです。
たった1回貶される悲しみは、10回褒められるうれしさを簡単に帳消しにしてしまうということです。褒められる喜びは一瞬ですが、貶されれば延々とクヨクヨしてしまう……。
その低評価が店の改善のヒントになる的確なものであればまだクヨクヨしがいもあるってなもんですが、残念ながら低評価の多くはマッチングミスです。僕はこれを「不幸な出会い」と呼んでいます。
「そういうのがいいんだったらそういう店に行けばいいのに、どうしてわざわざウチに来て文句言うの?」
と言いたくなるやつです。
低評価を書き込む人は、たぶんですが、多くのお客さんがその店と関わる中で自分ひとりの意見なんてささやかなものだろうと思っているんじゃないかと思いますし、だからこそ貶すべきことは貶して少しでもバランスを取るべきみたいな使命感もあるのかもしれません。
それは決して間違ったことではないかもしれませんが、実はそれは店(の人のメンタル)に存外大きなダメージを与えている。「だから批評なんてするな」というのももちろん違うかもしれないのですが、その甚大なるダメージにはつねに思いを馳せて欲しいなとは思います。
店側の対処としては、店を貶したら貶したほうが恥をかく、みたいな構造を構築するしかありません。
もちろんその前に、サービスや商品のクオリティーを上げ、かつミスを無くすという基本的な努力はありますが、これはレビュー云々関係なく当たり前のことですし、それをやったからといって低評価をすべて回避できるわけではありません。