日本初「野菜ジェラート店」に行列ができる理由

雪が積もる「鳴子」で冬でもしっかり売れる

日本初の野菜ジェラート専門店、宮城県大崎市の「なるこりん」(筆者撮影) 
たった1人で「おいしいものづくり」を始めた10人の物語が収録された『1キロ100万円の塩をつくる 常識を超えて「おいしい」を生み出す10人』から、日本初の野菜ジェラート専門店を営む大澤英里子さんを一部抜粋・再構成してお届けする。

今年のお盆、そして9月の連休、宮城県大崎市の「あ・ら・伊達な道の駅」にある野菜ジェラート専門店「なるこりん」には長い行列ができていた。秋田や岩手、山形など、遠方からも大勢の人が来て、タイミングによっては、1時間待ちになったという。

お客さんたちのお目当ては、地元の生産者から仕入れたフレッシュな野菜や果物をふんだんに使ったジェラート。ショーケースには「リンゴとセロリのジェラート・セロリンゴ」「氏家直子ちゃんの秘伝枝豆」「うどキャラメル」など、ほかのジェラート店ではまず見ないネーミングのジェラートが並ぶ。

これらのジェラートを独力で開発し、大崎市で2店舗を経営しているのが、大崎市鳴子温泉出身の大澤英里子さん。本格的にジェラートを作り始めてからわずか3年で、2019年3月に開催の「第4回ジェラートマエストロコンテスト決定! 日本最高のジェラート職人」で優勝した気鋭のジェラティエーレだ。

なぜ、ジェラートに野菜を使おうと思ったのか、それはどのように作られているのか。1時間待っても食べたい野菜ジェラートとは、どのように生まれたのだろうか?

鳴子の自然、温泉、野菜が起こしたミラクル

2004年、東京。当時、中目黒に住んでいた大澤さんは、ひどい肌荒れに苦しんでいた。高校を卒業してすぐに上京し、ファッションとネイルの学校に通った後、都内で働いていたのだが、しばらくすると軽く触れるだけで強い痛みを伴う発疹が顔に出始めた。

化粧どころか、顔を洗うのもつらい状態だった。よさそうな皮膚科を探して訪ね歩いても、原因すらわからない。2年経ってもいっこうによくなる気配がなく、次第に気持ちが塞がり、家から出ることすら憂鬱になった。

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