任氏は講話の中で、優秀な人材のモチベーションの引き出し方や、人材を生かす組織文化のあり方についても触れ、自らの考えをこう述べた。
「優秀な人材にとって(賃金の高さなど)物質的なインセンティブは重要ではない。彼ら自身が好きでたまらない仕事に取り組めるポジションを(会社が)与えれば、彼らは(誰かを)怨むことも(自分の選択を)後悔することもない」
「人材とは(会社が)育てるものではなく、自分自身の力で成長するものだ。ファーウェイは人材が成長できる(組織文化の)土壌を作らなければならない。高度な専門人材に対しては管理職としての責任を過度に負わせず、もっと自由度を与えるべきだ」
売上高の4分の1超を研究開発に
任氏がこのような訓示を行った背景には、ファーウェイを取り巻く経営環境の過去数年間の激変がある。アメリカ政府がファーウェイを標的にした制裁を段階的に強化し、スマートフォン向けの最新半導体が調達困難になるなど、同社の経営は大きな打撃を余儀なくされた。
そんななか、ファーウェイは研究開発への投資額を大幅に増やし、自社の技術力を高めることで難局の打開を目指してきた。それだけに、優秀な人材をいかに獲得するかが、任氏にとってファーウェイが生き延びるための核心的な課題の1つだったのだ。
なお、ファーウェイが8月に開示した2023年1~6月期の決算報告書によれば、同期の研究開発費は前年同期比4.5%増の826億元(約1兆6746億円)に上った。この額は、1~6月期の売上高(3109億元=約6兆3030億円)の4分の1超に相当する。
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は9月4日
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