中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が、製品の研究開発に欠かせない開発ツールの国産化を急ピッチで進めている。
「2019年以降、ハードウェア、ソフトウェア、半導体の3分野で78品目の輸入代替(訳注:国産化を通じた輸入品の置き換え)を達成した」。ファーウェイの輪番董事長(交代制の会長職)を3月末まで務めた徐直軍氏が、2月28日の社内イベントでそう明かしていたことがわかった。
なかでも注目を集めている半導体分野について、徐氏は輸入代替の進捗を次のように語った。
「わが社の開発チームは、中国国内のパートナーと共同で回線幅14nm(ナノメートル)以上のプロセス技術に対応した半導体向けEDA(電子回路設計の自動化)ソフトウェアを作り上げ、国産化を成し遂げた。2023年はその(機能の)検証作業をすべて完了させる」
28nm級の半導体製造装置も
徐氏は同時に、輸入代替をさらに進めるための課題にも言及した。
「まだ国産化の見通しが立たない開発ツールも少なくない。例えば光学設計のシミュレーションや、複合的な物理シミュレーションのソフトウェアなどだ。その道の専門家を世界中から募り、共同開発のパートナーとして継続的にサポートすることで、ブレークスルーを実現したい」
アメリカ政府がファーウェイに対する制裁を2019年に発動して以降、同社は社内の研究開発投資を大幅に増額。と同時に、社外のパートナー企業や大学などとの共同開発の取り組みを強化してきた。
財新記者が取材を通じて得た情報によれば、ファーウェイは中国の複数の半導体関連企業と提携し、アメリカ由来の技術に依存せずに回線幅28nmの半導体チップを生産できる製造装置の開発も進めている。
ファーウェイの創業者兼CEO(最高経営責任者)の任正非氏は2月24日、同社の研究開発の今後について次のように発言した。
「われわれは困難な時期をまだ脱していないが、前進の歩みを止めることはない。ファーウェイは2022年に238億ドル(約3兆1158億円)の研究開発費を投じた。数年後には収益の拡大に合わせ、最先端の研究開発にさらに多く(の資金)を投じることになるだろう」
(財新記者:覃敏)
※原文の配信は3月24日
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