ファーウェイ「孟CFO拘束事件」、4年越しの終結 アメリカ政府が司法取引に基づき訴追取り下げ

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孟晩舟氏はアメリカ政府との司法取引に応じ、中国への帰国を認められた。写真は帰国後の2022年3月、ファーウェイの業績説明会に出席した孟氏(同社ウェブサイトより)

2018年に世界の注目を集めた「孟晩舟事件」が、4年越しでの終結に至った。アメリカ連邦検察官のキャロリン・ポコーニー氏は2022年12月1日、中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)のCFO(最高財務責任者)の孟晩舟氏と2021年に交わした訴追延期合意(DPA)に基づき、孟氏に対する訴追の取り下げをニューヨーク東地区裁判所に申請した。

ちょうど4年前の2018年12月1日、孟氏はアメリカ政府の要請を受けたカナダ当局によりバンクーバーの空港で身柄を拘束された。孟氏にかけられた容疑は、2013年にイギリス銀行大手のHSBCの幹部と面談した際、虚偽の説明を行ってアメリカの対イラン制裁に違反したというものだ。

孟氏はファーウェイの創業者兼CEO(最高経営責任者)である任正非氏の娘で、身柄拘束はさまざまな臆測を呼んだ。中国外務省は、アメリカとカナダの対応を「中国のハイテク企業に圧力をかけることを目的にした、中国市民に対する政治的迫害だ」と非難。孟氏の容疑はでっち上げにすぎないとの認識を一貫して示し、3国間の外交問題に発展した。

ファーウェイの罪を問う裁判は継続

身柄拘束の10日後に保釈を認められた孟氏は、アメリカへの身柄引き渡し手続きの中止を求め、ブリティッシュコロンビア州高等裁判所でカナダの司法当局と激しく争った。

1000日余りに及ぶ法廷闘争(と水面下でのアメリカ政府との交渉)を経た2021年9月22日、孟氏とアメリカ政府の間にDPAが成立。孟氏はアメリカ政府が主張する訴追事実を認め、アメリカ政府はそれと引き換えに身柄引き渡しの要請を撤回。孟氏の中国への帰国を容認した。

(訳注:DPAは犯罪の被疑者と検察官の合意による司法取引の一種。被疑者が合意した条件を一定期間遵守すれば、検察官は訴追を見送る)

本記事は「財新」の提供記事です

アメリカ政府は、DPAの取り決めに孟氏が2022年12月1日まで違反しなかった場合、同氏に対する訴追を取り下げると約束していた。今回、それが履行されて事件が終結した格好だ。

ただし、アメリカ政府が取り下げたのは孟氏個人に対する訴追だけである。法人としてのファーウェイを詐欺、マネーロンダリング、司法妨害などの容疑で訴追した裁判の審理は、現在もニューヨーク東地区裁判所で続いている。なお、本件についてファーウェイはいっさいコメントを出していない。

(財新記者:張而弛)
※原文の配信は12月2日

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