ですから、学習効果をより高めたいときは、テキストや副読本を数回通読し、ざっくりでよいので大局を概観することが有効です。
「近世より前は、世界史というより地域単位の地域史」「近現代以降は、欧米を軸に他の地域の歴史を見るとよくわかる」などと気づけるからです。
つまり1回目のテキスト通読時に「ローマ帝国を最盛期に導いた五賢帝とは、ネルウァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス、マルクス・アウレリウス・アントニヌス……」などと繰り返し覚えようとする必要はありません。
そんな細部にこだわっていては、14~16世紀に花開いた「ルネッサンス」までいつまで経ってもたどり着けないでしょう。
それより「ローマ帝国が滅びたあとのイタリアは、侵入されたり分裂したりしていろんな国が成立するのだなぁ、争いの歴史だなぁ」というフレームを脳につくることが大事です。
細部にとらわれすぎず、大局観をつかみましょう。
大枠の構築こそ、勉強の要
大局観をつかむことで頭の中に「大枠」がつくられ、その後、細かい個別の事柄を大枠に埋めやすくなります。
最初から個別の事柄を頭に取り込んでも、大枠ができていないと知識が点と点のままで終わります。点から線へはつながりにくく、「木を見て森を見ず」になってしまいます。
要領が悪い人は、いい意味で真面目なので、大量の情報量を前にしてもひるまずに、フレームのないところに「知識を着実に積み上げていこう」としてしまうのです。
脳が絶好調である時間帯に合わせて勉強することも大事です。
要領が悪い人には、脳の効率を度外視して「時間ができたらとにかく勉強する」という傾向が見られます。
記憶に適した3つのゴールデンタイムを、ぜひ知っておいてください。
大原則は「食事前の時間帯は、学習向き。食後の時間帯は不適」ということです。
それは「食料を確保する際(空腹時)こそ、脳が最もよく動く」という動物的な本能が、私たち人間に残っているからです。
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