「成績が伸びない子」を一瞬で見抜く東大生の質問 「好きなこと」を聞くだけでわかる超納得の理由

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「僕は、筆箱のどこの位置にどのペンを何本入れれば試験を受けやすいのか、勉強がやりやすいのか、今までの模試や普段の勉強でしっかり理解したうえで受験勉強をしていた。なのに、このタイミングで新しく筆箱を変えるというのは、今まで自分がやってきたルーティンをすべて壊さなければならず、今までの努力をすべて否定されることに等しい。だから親に、『あんたは自分の息子の受験を失敗させたいのか!』と怒ったんだ」と。

正直、「たかが筆箱ひとつで、何を言っているんだ?」って感じですよね。僕もそう思います。

でも、筆箱ひとつにしてもこんなにこだわりがあって、自分の好き嫌いがはっきりしている人なのであれば、「自分がどういう努力のしかたをすれば結果が出る人間なのか」という問いに対しても答えが出しやすいんですよね。

「素直で言いなり」より「問題児」のほうが伸びる

僕は東大生が30人程度働いている会社を経営して、教育支援事業を行っていますが、どの東大生も全員何かしら「問題児性」を抱えています。はっきり言って会社としてはとても扱いにくいですし、毎日のように何かしらの議論をします。

「西岡さん! これってこっちのほうがいいんじゃないですか!」と、自分の個性・こだわりを出してきます。でも、そういう人だからこそ、一度ノッてしまえば仕事は速く、そしてクオリティの高いアウトプットを出してきます

というわけで、もしこの記事を読んでいるのが親御さんであれば、その子の「こだわり」を大事にしてあげてください。「こだわりの強い問題児」であれば、それは喜ばしいことだと考えたほうがいいですし、逆にもしこだわりが薄いお子様なのであれば、「こだわり」を見出せるように、その子の好きを深掘りしてもらえればと思います。

この記事を読んでいるのが「自分の頭を良くしたい人」なのであれば、自分のこだわりを大事にしてみてください。本で言っているような勉強法や、頭のいい人のやり方などを、100%真に受けるのではなく、「自分なりにカスタマイズしてみよう」という意識を忘れないで取り組んでもらえればと思います。そのほうが、結果が出やすいのです。

みなさんぜひ参考にしてみてください。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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