アメリカの「脱中国」実はまったく進んでなかった ベトナム、メキシコに経由地が変わっただけ

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だが、8月26日にワイオミング州ジャクソンホールで開催されたカンザスシティ連邦準備銀行の年次シンポジウム(ジャクソンホール会議)で議論された新しい研究によると、世界貿易のパターンは変化したとはいえ、アメリカのサプライチェーンは依然として中国の生産に大きく依存しているという。以前ほど直接的な依存ではなくなったというだけの話だ。

ハーバード・ビジネス・スクールのエコノミスト、ローラ・アルファロとダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネスのエコノミスト、ダビン・チョーの論文によると、アメリカの輸入における中国のシェアは2017年の約22%をピークに2022年には約17%まで低下した。

機械、履物、電話機などのカテゴリーでアメリカの輸入品に占める中国の割合が低下した。そうした中でシェアを伸ばしたのがベトナムなどで、ベトナムなどからは衣類や繊維製品の輸入が増え、近隣のメキシコなどからは自動車部品、ガラス、鉄鋼の輸入が増え始めた。

最終ステップを「移している」だけ

アメリカが中国依存度を低下させている兆しと映る動きだが、実はそこには問題がある。メキシコとベトナムのどちらも中国製品の輸入を増やしており、さらに両国に対する中国からの直接投資の急増は、中国企業がこれらの国々で製造拠点を増やしていることを示すものだからだ。

こうした傾向は、企業が長大なサプライチェーンの最終ステップを単に中国から別の場所に移しているだけで、中にはベトナムやメキシコのような国々を中継地として、部分的もしくは大部分が中国で製造された商品をアメリカに送り込んでいる企業があることを示唆する。

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