ジャニーズ、これから顕在化するこれだけの"争点" どう「過去と決別」し、出直していけるのか

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ジャニーズ事務所の副社長も務め、現在独立してTOBEを設立した滝沢秀明氏、あるいはジャニーズ事務所で「敏腕マネジャー」として鳴らし、ジャニー氏の後任候補とも言われていた飯島三智氏の名前が出てくることがある。両氏ともに、経験と実力は評価できても、実現性は未知数だ。加えて、両氏ともにジャニー氏の側近とも呼ばれる存在であった。藤島ジュリー社長以上に、性加害の実態を知っていた可能性もあるだろうし、経営者となるのであれば、現社長同様に倫理上の責任を問われることになるだろう。

そして「ジャニーズ」という名称を今後も使用するかどうかという問題だ。今回は社名、名称の変更について、特別チームからの明確な提案はなかった。しかし、性加害を行った人物の名前を冠する企業名を存続させることはさまざまな観点で難しいと考える。

特別チームは「解体的出直し」という言葉を使っていた。しかし、事務所が解散しなくとも、社長交代や社名変更といった対応を取るのであれば、「解体」に近い状況で「出直し」を図ることになる。

良くも悪くも、これまでのジャニーズ事務所とは異なる、「普通の芸能事務所」として再出発することになる。それはこれまでの「強み」を捨て去ることでもある。

被害の全容の解明と被害者の救済は誰がするのか?

特別チームの調査報告では、数百名の被害があったことが認定されたが、実際にヒアリングが行われた被害者は23名である。そもそも、特別チームは「網羅的な調査は行わない」ということを早い段階から表明していた。

一方で、SNS上では「限られた被害者の証言だけで被害の事実を認定してよいのか?」といった疑念の声も出ている。多数の被害者がいながら、全容を解明しないままに幕引きをしても良いのか? という疑問がある。

本件と似ている事例として、イギリスのテレビ司会者ジミー・サヴィルの性的虐待事件が挙げられる。この事件においては、警察や政府機関が時間をかけて捜査、調査を行い、包括的な実態解明を行った。

ジャニーズ事務所だけで実態解明が困難であれば、公共的な機関の介入も考えうると思われる。

一方、被害者の補償に関しても、特別チームは踏み込んだ提言を行っている。一方、国連の「作業部会」は日本政府に救済の要請を行っている。「ジャニーズ性加害問題当事者の会」も、8月30日、国会で被害者救済に国の介入を訴えている。

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