ジャニーズ、これから顕在化するこれだけの"争点" どう「過去と決別」し、出直していけるのか

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被害者が数百名にのぼることが認定され、藤島ジュリー社長の辞任が提案され、コンプライアンス強化の具体策が細かく提案され……と、コアメンバー3名で3カ月間という短期間で行った調査、提案としては、十分な内容だったと言える。

報告書の内容自体は、これまでメディアで報じられているもの、他の有識者から提言されているものと大きく異なる点はなかったが、逆にそうした事柄が、ジャニーズ事務所が設置したチームから発せられたという点が重要である。

このたびの特別チームの会見は、作業部会の会見に勝るとも劣らないインパクトを持つもので、当該問題の潮目が大きく変わる契機となっている。

窮地に陥ったジャニーズ事務所の今後の経営体制は?

ジャニーズ事務所からは、特別チームの会見と同日の8月29日、記者会見を行うことを発表している。また、文春の報道によると、藤島ジュリー社長は退任を決めており、記者会見にも出席しない見込みであるという。

藤島ジュリー社長の意向は現地点では不明ではあるが、特別チームの提案の大半を受け入れざるをえないだろう。それをしなければ、特別チームの存在意義が問われるし、世論も許さないだろうからだ。

(写真:mizoula / PIXTA)

最大の懸念が、後継者の問題である。もともと、ジャニーズ事務所の成長と発展は、ジャニー喜多川、メリー喜多川両氏の二人三脚体制で実現してきた。個人の能力と資質に依存した、極めて属人的な組織体制が取られてきたが、そのやり方は現在では許されないものであるし、両氏の強権的なやり方は、特別チームからも批判されている。

いかなる組織においても、権力の空白が生じたときに、混乱が生じる。現時点でも、ジャニーズ事務所からはタレントの退所が相次いでおり、業界ではK-POPアイドルなど強力なライバルたちが勢力を拡大している。

こうした極めて困難な状況の中で、事務所内、事務所外を含めて、ジャニーズ事務所の経営を任せられるのは誰か? と問われると、頭を抱えざるをえない。

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