営業継続と出店拡大こそ地域復興への貢献になる--ゼンショー会長兼社長 小川賢太郎

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欠品なしで消費者に支持 「自粛より消費」で復興を

──3月の計画停電の影響は。

東京電力管内のエリアで計画停電に該当したのは749店舗。計画停電中は基本的に営業停止せざるをえなかった。ただ、被災した店舗を除いた「すき家」の3月既存店売上高は前年比7%増と好調だ。従来からの低価格路線や、1562店(3月末)でほとんど欠品がなかったことが、消費者に支持された理由と見ている。3月は新規顧客が増えているとも聞いている。

──夏場には再度、電力不足が懸念されますが、乗り切れますか。

政府が夏場に大口需要家へ求める25%程度の電力抑制は、正直ハードルが高い。現在も店内照明のカットなどを行っているが、何を積み上げれば25%程度に相当するか、これから検証しなければならない。

対策として考えているのは、従来から進めていた自然エネルギーの活用だ。すでに「すき家」横浜戸塚店で太陽光発電を用いているほか、地熱を利用した冷暖房も実施している。われわれは神奈川県の黒岩祐治新知事のソーラープロジェクトに共感しており、神奈川を皮切りにこうした取り組みを広げていきたい。自然エネルギー以外にも、電気ではなくガスで牛肉を煮込むことなどで、省エネを進めていきたい。

──「すき家」が好調な一方、「ココス」などファミリーレストランは、3月の売り上げが落ち込みました。震災後、消費者はより客単価の低いほうへシフトしていくのでは。

ファミレスは、震災直後1週間の売り上げがかなり厳しかったのは確かだ。ただ、4月に入り全般的に回復に転じており、心配していない。

私の基本的な考えは、経済は個人と国の基盤ということだ。自粛よりも、早く消費を元に戻すことこそが、被災地の立ち直りを早めるし、株式会社としての社会的使命だとも思っている。他社が尻込みする中、3月18日に「すき家」の「ねぎ玉牛丼」に関するテレビCMも再開した。外部機関の好感度調査によれば、3月は2803社中6位という高い評価も受けた。消費者にも当社の考えは受け入れられている。

4月以降は全業態で急速に回復してきている。手応えは非常にいい。震災を経て消費者のマインドが沈滞していくことはない、と見ている。

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