宗教法人の税務申告は次のようになっている。
収益事業を営む公益法人は、毎事業年度終了後2カ月以内に、確定申告書を所轄の税務署長へ提出しなければならない。宗教活動のほか、駐車場や不動産、物品販売などの「収益事業」を行っていれば、税務署に申告書を出さなければならないわけだ。
確定申告書には、収益事業にかかわる貸借対照表、損益計算書だけでなく、収益事業外の全体の貸借対照表および損益計算書を提出しなければならないこととなっている。つまり「収益事業」を営んでいる宗教法人は、その宗教法人全体の貸借対照表と損益計算書を添付しなければならない。
だが、裏を返せば、収益事業を行っていない宗教法人は、その必要はないのである。
年間収入8000万円以下なら申告書の提出は不要
本来、宗教法人は、その事業年度の収支計算書を原則として、事業年度終了の日の翌日から4カ月以内に所轄の税務署長に提出しなければならない。
ただ年間収入8000万円以下の小規模な法人などについては、収支計算書の提出を要しないこととしている。そして、8000万円の収入金額は事業年度毎に計算した基本財産などの運用益、会費、寄付金、事業収入などの収入の合計額によるものとされ、土地建物などの資産の売却による臨時的に発生する収入は8000万円の判定に含めないこととされているのである。
つまりは、普通の年間収入が8000万円を超えなければ、申告書を出す必要はない。寺などの小さな宗教法人は、この8000万円ルールに守られ、申告も収支計算書の提出も不要とされている。
寺の会計などは一応、檀家などがチェックすることになっていたりはするが、それも形式的なものである。だから住職が寺のお布施の一部を抜いても、誰にも気づかれないし、とがめられることはないのである。
さて、ここからが本題である。辺鄙(へんぴ)な寺の住職が、ベンツなどの高級車に乗っているのを見たことがないだろうか?
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