「水曜日のダウンタウン」が"希望の星"とされる訳 史上初の1億再生超が暗示するバラエティの未来

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今回の1億再生突破に際して演出の藤井健太郎さんは、「1億回という数字に実感はありませんが、1番になれたことは有難いし、誇らしいです。また、我々制作者にとっては、どんなに面白くてもリアルタイムで見てもらえなければ成績に反映されなかった番組作りに、評判がよければ遡って見てもらえる仕組みができたことは思っている以上に大きくて」とコメント。1億という数字より、苦しい時代を乗り越えてやっと正当な評価をしてもらえるようになったことを喜んでいるようでした。

藤井さんは、「TVerのこういった数字が評価の対象となることで、純粋な“面白さ”を追求しやすくなりますし、そうすることで、視聴者の方々とも以前よりWin-Winの関係に近づけている気がします」とも語っていました。これは「今後はもっともっと純粋な“面白さ”を追求していけるし、それが視聴者ファーストになる」というポジティブなメッセージに見えます。

その純粋な“面白さ”の追求こそ、ゴールデン・プライム帯だけで100を超えるバラエティが放送される中、「水曜日のダウンタウン」が突出した存在になった理由。クレームを恐れて表現の自主規制をする番組が多くを占める中、「水曜日のダウンタウン」は時に批判を受けながらも面白さ優先の方針を変えず、常に炎上スレスレの線を攻めてきました。

『水ダウ』成功を物語る33年前の予言

奇しくも12日に放送された特番「ダウンタウンvsZ世代」(日本テレビ系)の最後に、“今では考えられない放送”として1990年に放送されていた「EXテレビ」(日本テレビ・読売テレビ系)が紹介されました。その内容がまさに「水曜日のダウンタウン」成功の理由を示しているようだったのです。

「EXテレビ」で上岡龍太郎さんが“テレビ界の現状”として、「(番組に)抗議してくる奴がおるんですかね。ほんの一部のバカのために他のもんが迷惑をこうむっている」「しょせんはエンターテインメントの部分にまで口さしはさんでくるんです」「(抗議によって狭まった)その枠の中でしかテレビが作れないということになってくるんで。『面白い』という意見、『楽しかった』『凄かった』『よかった』という意見だけでテレビを作っていけば枠は広がっていくはずなんです」などと語っていました。

約33年前に、現在にもつながる問題提起をしていたことに驚かされますが、「ほんの一部の抗議に負けず、『面白い』という意見で制作している」という点が「水曜日のダウンタウン」のことを語っているように見えたのです。

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