4年に及ぶ受験勉強の日々。彼は浪人してよかったことについて、「何もない、ドン底にいた自分を変えてくれた」と語りました。
「僕は野球を辞めたあたりが人生の転機でした。そこから自分が何もない人間だと認識するんですが、そういう空っぽの状況だからこそ自分自身を直視して、生きていくうえでの活路を探し、見いだすことができたんだと思います。野球という、自分のアイデンティティを大きく形成してるものを失っても、必ずしもマイナスの方向に行かなくて、自分次第でプラスに転じさせることができるんだなと思えました」
また頑張れた理由については、やはり家族の存在が大きかったそうです。
「僕の場合は家族が成功しているのを見ていたのがよかったと思います。自分の人生を真剣に考えたことがなかったのですが、このままだと家族に比べて、将来ロクでもない大人になるなと思えたのが大きかったですね」
家庭環境が原因で学べない子を救う
そんな彼は現在、大学に通いながら大学編入・大学院入試専門のオンライン予備校、『スプリング・オンライン家庭教師』を立ち上げました。
「自分は家庭環境に問題はなかったですし、受験勉強をする環境を用意してもらえたおかげでなんとか人生をいい方向に持っていくことができました。でも、僕は野球を辞めてから遊んでいた時期に道を踏み外した子もたくさん見てきました。そういう子は自分自身ではなくて、家庭環境が原因でそうなっていると思うんです。
だから、そういう境遇にいて人生を悲観している人たちに、自分の人生を変えてくれた編入試験の支援をすることで、還元できればいいなと思ったんです。
いま、予備校のない地方からの問い合わせが多く、学べるチャンスを提供できているのかなと思います。これからも、不利な環境で戦う人たちに、情報の提供を通して、人生を応援していきたいと思っています」
編入の勉強をする過程で、情報がなくて不便だと思ったことがきっかけで始めた現在の事業。かつて周囲の環境に反発し、挫折や絶望を経験しながらも人生を立て直すことができた彼だからこそ、人のために生きたいという強い意志を感じ取ることができました。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら