人生を変えるちょっとした「隙間時間」の重要度 時間と空間における「聖域」をつくりだすコツ

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イエズス会の修練者、サイラス・ハビブは、「意識の究明の祈り」というイエズス会の修練について語ってくれた。それは、夜に時間を取り、それまでの1日に起こったことをすべて思い返し、自分が恩寵(おんちょう)やつながりを感じたときのことを振り返る、というものだ。

本書の共著者のジャスティンは、ときどきその1バージョンをやり、1日のうちに安らかな静けさを感じたときについて考え、意識の移ろいゆく特性を調べてきた。

静寂の聖域は単純であるべき

聖域は単純であるべきだ。ストレッチングをしたり、入浴したり、ジャーナリング〔訳注 頭に浮かんだことをそのまま書き出すこと。「書く瞑想」とも言われることがある〕をしたり、テラスに座ったり、床に寝そべったり、その他、くつろいだ、静かなあり方を見つけたりするための、物理的な空間を作り出そう。

カレンダーにも空白を作ろう。少しだけ早起きしたり、夜の時間を空けておいたりして、意図的に「空っぽにする」時間に充てる。実際にその時間を自分のために過ごす。大切な同僚や仲の良い友人と会うかのように、その約束を守る。

早起きの人と夜更かしの人は正反対だと思われがちだ。だが、両者はともに、1日のうちの静かな時間帯、外部からの要求がない時間帯の真価を理解している。

詩人や求道者は、昔から、「午前4時の静けさ」の持つ、境界としての特性を称賛していた。

ミシェルにとっては、時間と空間におけるこれらの聖域、特に朝に確保しておく時間帯は、ホワイトハウス時代にも、スタートアップを築き上げている現在も、どれほど効果をあげるかの決め手だった。

彼女はこの聖域で自分の信条を確認する。「静けさを経験し、静寂の修練をすることが、これまでずっと、厳しい状況で知恵を絞り出す能力を磨くのに不可欠でした」と彼女は語った。

「そして、成果をあげる戦略を生み出すのにも。特に、自分が世の中で創出したい善に対して不利な状況のときには」

(翻訳:柴田裕之)

ジャスティン・ゾルン コンサルタント、講師

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Justin Zorn

アメリカ合衆国議会で政策立案者や瞑想講師として活躍。ハーヴァード大学やオックスフォード大学で経済学やウェルビーイングの心理学を学ぶ。『ワシントン・ポスト』紙や『アトランティック』誌、『ハーヴァード・ビジネス・レヴュー』誌、『フォーリン・ポリシー』誌などに寄稿している。熟考と行動を結びつけ、リーダーやチームが複雑な問題への解決策を想像し、コミュニケーションを取る手助けをするコンサルティング業務を行うアストレア・ストラテジーズの共同創立者である。

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リー・マルツ コンサルタント、リーダーシップコーチ

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Leigh Marz

主要な大学や企業、連邦政府関係機関を対象とするコラボレーション・コンサルタントでリーダーシップコーチ。西洋世界におけるサイケデリック薬物の儀式的利用の最先端の研究者かつ実践者として長いキャリアを持つ。専門的な仕事の中でさまざまなイニシアティブを発揮し、NASAのチームで実験的なマインドセットを発揮させるトレーニング・プログラムを立案。製品から有害な化学物質を取り除く横断的な協業を10年以上も率いている。グリーン・サイエンス・ポリシー・インスティテュートやハーヴァード大学、イケア、グーグル、カイザー・パーマネンテなどとも仕事をしている。アストレア・ストラテジーズの共同創立者。

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