公務員給与の壁破り、ホワイトハッカーを確保へ サイバー被害企業"報告義務化"法制定求める声
松山キャスター:ハッキングを防止するためには、ある程度高い給料で精鋭部隊、人材を確保して対応しなければならない。海外では優秀なホワイトハッカーに1億円以上の報酬を提示する企業もあるという。官僚トップレベルの年収、あるいはそれ以上の報酬が必要という指摘もあるが、実態としてはできていない。
佐藤正久氏(自民党参院国対委員長代行・元外務副大臣):非常に問題だ。自民党からはもっと高い報酬を提示しないと(人材が)集まらないと言っているが、防衛省ではやはり事務次官が最高年収で、それを超えた形での給与体系は非常に難しいとのことだ。実際、去年ある防衛産業が初任給2000万円でサイバー人材を集めようとしたが、全然集まらなかったという現実がある。
事務次官の給与の壁により、日本の安全保障が担保できないというのは本末転倒だ。この事務次官の給与の壁をぶち破ることを政治主導でやらないと、人事院との調整で防衛省から事務次官の給料を超えたものでお願いしますと言うのは難しい。政治主導だ。これは安全保障の話だ。AI(人工知能)、量子、サイバーはこれから軍民融合の国家安全保障の中枢になる分野だ。その給与部分で壁があるから採用できないというのは本末転倒だ。そういう観点も大事だ。
狙われるインフラ…サイバー攻撃の脅威
中谷氏:先ほど佐藤さんから、アクティブ・サイバー・ディフェンス(能動的サイバー防御)の話があった。攻撃的な視点を持ってディフェンス力を高めていく、防御力を高めていくことは政府全体として考えていく必要が視点としてはあると思っている。そのためには人材が必要だ。
サイバー犯罪の国際協力を担当するインターポール(国際刑事警察機構)GlobalComplexforInnovation(IGCI)総局長だった中谷昇氏と人材確保の件で話をしたことがある。3000万円の給料を出しても、1億円もらっている人からすれば給料が下がることになる。下がるのだけど、それでも国防にモチベーションを持ってきてくれる人たちはいるかもしれない。給料が3分の1、あるいは2分の1になったとしてもいるかもしれない。
その人たちをどうマネジメントする組織をつくるか。そういうトップガンの人たちが働きやすい環境をどう作り、インフラを含めこの日本のサイバー環境を守っていくか。こっちの方が重要な課題ではないかと思っている。