AI契約書審査サービスが開けた弁護士法の「風穴」 「法律分野のAI活用」を急加速させる指針が登場
法律分野でAI(人工知能)を活用したリーガルテックの新サービスが次々に生み出されている。AIが法律のサービスを行うことは従来、弁護士法の「違反の可能性」が指摘されてきたが、ここにきてグレーゾーン解消の動きが一気に進み出した。
法務省は8月1日、AIが契約書作成、審査などをするサービスが違法にならないための「ガイドライン」を公開した。
「弁護士法72条」には、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を扱うことを禁じる規定があり、同省は、AIでも「違反の可能性が否定できない」と指摘してきた。ITサービスと法律事務は、弁護士法で一線を画されてきただけに、契約書以外にも応用できると歓迎する声がでている。
「違反の可能性」が指摘され企業は利用控え
そのガイドラインは、「言い訳」から始まっている。「同条の解釈・適用は、最終的には裁判所の判断に委ねられるものである。そのため、飽くまで一般論とならざるを得ない」。
弁護士法は、弁護士でない者が交通事故の「示談屋」のように、法律の無知につけ込む「非弁行為」を取り締まるもので、これに違反すると刑事事件として裁判所に起訴されて裁かれる。
ところが昨年、「AIによる契約書審査は違法にならないか」の照会を受けた法務省が、「違反の可能性」を指摘して、一部の企業がサービスの利用を控えるなどの混乱が生じていた。
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