AI契約書審査サービスが開けた弁護士法の「風穴」 「法律分野のAI活用」を急加速させる指針が登場

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このサービスはすでに数社が提供し、数千社が利用している。例えば、システムにアップロードした契約書をAIが「秘密保持契約」と判断すると、同契約に不可欠な「秘密情報の定義」に関する条項があるかをチェックして、ないと判断されると文案が示されるなど、利用者のサポートをする。

AI契約書審査について説明する最大手リーガルオンテクノロジーズの角田望社長(2022年10月26日、写真:筆者撮影)

こうしたサービスの利用が阻害される事態に、内閣府の規制改革推進会議が動き、法務省にガイドラインを作るよう求めた。政府は、今年6月に閣議決定までして、法務省に対応を迫った。

今回のガイドラインの公表にあたって、担当の法務省・司法制度課長は「世界的に見れば、AIで契約書の作成・管理をしているところはある。司法だけがそっぽを向いているということでは(よくない)」と、作成の背景を語った。

ガイドラインが公開されると、AI契約書チェックの業界から「これで安心して事業ができる」との声が次々に上がった。

持って回った言い方は影を潜めた

いったい何が変わったのか。実は、法務省が法解釈を変えたわけではない。あえていえば「姿勢」が変わったのだ。

法務省が昨年公開した「回答」は、「個別具体的な事情によっては、弁護士法72条本文に違反すると評価される可能性があることを否定することはできない」「『報酬を得る目的』がないと一概に判断するのは困難である」「可能性がないとはいえない」などと、持って回った言い方だが、ほとんどの可能性を否定したように読めた。

これに対してガイドラインは、「通常、弁護士法72条に違反しないと考えられる」「『その他一般事務』に該当せず、同条に違反しない」などと断定する表現が目立ち、持って回った言い方は影を潜めた。

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