大卒者が就職できないのは単なる就職問題ではなく社会問題だ--西本甲介・メイテック社長(第1回)

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 一般登録型の派遣社員やアルバイト、パートといった雇用の不安定な非正規の方々は、割合としては労働市場の中の3分の1を占めます。この三十数%の人たちについて話し合われるべきなのに、たかだか労働市場の中で2%にすぎない特定派遣労働者だけがクローズアップされているのはおかしい。議論のすり替えですよね。

最低賃金の話などもいわゆるポピュリズムだと思います。日本の労働市場はどうあるべきかということをまず議論し、そのためのルール作りをするべきなのに、今ウケる話題は何なのかという方向で話が進んでいます。

すごく危険なことだと思います。

--雇用問題といえば、いま新卒者の就職率も過去最低です。この状況をどう思われますか。

働く意思がある人のうち3人に2人しか雇用を与えられていないという状況は、単なる就職問題ではなく社会問題です。大学新卒者は10~20年後に労働力の中核層となる人たちですから、今の状況は将来の日本社会にボディブローとなって必ず返ってくるはずです。なぜものすごく大きな社会問題としてクローズアップされないのでしょうか。

先日、ある中国人が「日本はすごい国だ。20年も経済が停滞しているのに国民が暴動を起こさない」と言っていましたが、就職問題も同じことです。

今の日本社会は鈍感というより思考停止の状態ですね。

--とはいえ、御社にとっては買い手市場なのではないでしょうか。

採用という意味では買い手市場ですが、当社はお客様に社員を配属しなければいけないので売り手市場でもありますね。

リーマンショックが起こり、社員の雇用を守るために危機対応として採用はしばらくストップしていました。ようやく再開した新卒採用で28名を採用することができましたが、スペックだけ見ればいい人材が新卒者の中に残っているという感触はあります。

もちろん環境としては有事が続いていますが、ひとまず1人の雇用調整もせず、次の新しい成長に向けてようやく再スタートを切ることができる状況となりました。

(撮影:梅谷 秀司)

にしもと・こうすけ
1958年愛知県生まれ。1984年メイテックに入社し、社長室長、人事部を経て1995年に取締役に就任し人事部長と経理部長を兼任する。1996年専務取締役人事部長・経理部長、99年から現職。2006年からはグループCEOも兼務。社団法人日本経済団体連合会理事、一般社団法人日本エンジニアリングアウトソーシング協会代表理事。

■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・経営者JP主催のセミナー「トークライブ・経営者の条件」との連動企画です。
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