睡眠「22~2時はゴールデンタイム」信じる人の誤解 成長ホルモンの分泌は時間で決まるわけではない
成長ホルモンが分泌されるもう1つのきっかけは「睡眠」です。成長ホルモンは、寝ている間に最も多く分泌されます。睡眠不足だと疲れが取れなかったり、肌が荒れたりするのは、成長ホルモン不足が原因です。経験的に知っていることでも、メカニズムを知るのは面白いですよね。
ちなみに「22時~2時は成長ホルモンが分泌されるゴールデンタイム」と聞いたことはないでしょうか。スキンケアやダイエットの文脈でしばしばいわれることですが、これはウソです。
成長ホルモンが深い睡眠のタイミングで集中的に分泌されるのは事実です。でも、よく考えてみると、私もあなたも、みんな同じように22時~2時に成長ホルモンが出るというのは、おかしな話です。
例えば食欲もホルモンの影響を受けますが、「10時~14時は食欲ホルモンが分泌されるゴールデンタイム」といわれたら、「人による」と思いますよね。成長ホルモンも同じで、時間で決まるわけではありません。
深い睡眠がしっかり取れていればOK
では、成長ホルモンはどうすれば分泌されるかというと、要するに、何時であれ深い睡眠がしっかり取れていればOKなのです。
健康にまつわるウソは、こうやって、ちょこちょこと私たちのやる気を削いできます。シフト勤務をしている方などは「22時に絶対に寝られない」ということもあるでしょう。そうでなくても、仕事が詰まれば22時にようやく帰宅する人もたくさんいるはず。もし深夜に寝て、午前のやや遅い時間に起きたとしても、深い睡眠が確保できていれば、成長ホルモンは分泌されるのです。
では、どうして22時~2時という時間が出てきたのかというと、まず成長ホルモンは睡眠の前半(就寝から3~4時間)で分泌されます。そして、かつての日本人の就寝時間はだいたい22時~0時くらいが平均でした。そのため、成長ホルモンが分泌されるタイミングは2時ごろになり「22時~2時」になったものと考えられています。
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