睡眠「22~2時はゴールデンタイム」信じる人の誤解 成長ホルモンの分泌は時間で決まるわけではない

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現在、世界保健機関(WHO)やイギリスの国立医療技術評価機構(NICE)のガイドラインでは、うつ病の予防・治療の項に運動のことがしっかり書かれています。そしてこのように「運動にうつ病を改善する効果がある」というのは、いくつかの研究で明らかになっているのです。

●活動的な者は不活動である者と比較してうつ症状の発生リスクがおよそ15~25%低い

(出所:U.S. Department of Health and Human Services, 2018 Physical Activity Guidelines Advisory Committee Scientific Report. アメリカ保健社会福祉省による分析。活動的な者と不活動である者のうつ症状の発生リスクを比較検討した)

●歩行や階段昇降などによる消費カロリーが多い人、スポーツの実施時間が長い人はうつ病の発症率が低い

(出所:Paffenbarger Jr., R. S. et al., Physical activity and personal characteristics associated with depression and suicide in American college men - Acta Psychiatr Scand Suppl. 1994;377:16-22. アメリカの研究者のラルフ・S・パッフェンバーガーJr. らにより1994年に発表された研究。ハーバード大学の卒業生のうち約1万人を対象に、23~27年の追跡調査をして、歩行や階段昇降などによるエネルギー消費量、スポーツの実施時間とうつ病の発症の関連を明らかにした)

このような運動の効果は、運動により放出される「ホルモン」の働きによると考えられています。ホルモンとは、体の中で合成され、体と、時に心に作用する物質のこと。そして、注目するべきはその中でも“自信ホルモン”と呼ぶべき、あなたを元気にしてくれるホルモンです。

「やる気が出ない」とき、体の中で起こっていること

そもそも、例えば「やる気が出ない」「イライラする」とき、体の中ではどんなことが起きているのでしょうか。

原因の1つが、ホルモンバランスの乱れ。とくに重要なのが「成長ホルモン」という、1つ目の自信ホルモンです。

名前自体は聞いたことがある人も多いでしょう。「寝る子は育つ」といわれることがありますが、寝ている間に脳下垂体という脳の一部から分泌され、体の成長を促します。

その主な役割は、体を作ること。骨や筋肉の成長を促進、あるいはこれらを修復したり、ほかにも気になる向きも多いであろう肌の再生にも関わったりします。さらに、疲労を回復したり、免疫機能を高めたり、筋肉を増やしたり、逆に脂肪の蓄積を抑えたり、その燃焼を促進させたりすることもできます。

この「疲労を回復」というのがポイントで、成長ホルモンが不足すると、体に疲労が蓄積していきます。

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