「でも、長く飼っていた愛犬が死んでしまったときは、1人じゃなくて本当に良かったと思いました。私には主人という味方がいてくれるんだな、と」
大輔さんの母親は千葉県で1人暮らしをしており、2人はできるだけ頻繁に通ってお世話をしている。美紀さんは義務感からではないようだ。
人生の終盤にいることを実感すると優しくなれる
「90歳になる義母はとてもいい人なんです。精神的に常に安定していて、近くにいて安心感があります。デイケア施設でも人気者で、みんなが義母のところに来ておしゃべりをしています。私もおしゃべりにしに行くだけですが、受け入れてくれていることがとにかくありがたいです。できるだけのことをしてあげたい、という気持ちになります」
実の親よりも結婚相手の親のほうに親しみを持てたりすることもあるのは、結婚の面白さの一つだと言えるかもしれない。初婚である大輔さんのほうは「人と一緒に暮らすことは想像もしていなかった」と言いつつ、気の合う異性と暮らす楽しさを味わい続ける毎日だ。
「独身時代もそうでしたが、自分と同じような環境にいる人は必ずいて、そういう人との付き合いが多くなります。今は、子どもがいない夫婦同士で仲良くなったりしていますから。自分は勝ち組だなんてまったく思いませんが、居場所を知らせ合って気遣い合える関係性はいいなと感じています」(大輔さん)
ここまで3組の年の差カップルのその後について取り上げた。夫婦喧嘩が少ない、もしくは喧嘩が成り立たない、という印象だ。年下が年上に甘えている面もあるが、それ以上に人生のステージが異なるのでぶつかりにくく、年上が年下のサポート役に回れることが大きい、と感じた。人生の終盤にいることを実感すると、「後輩」に優しくなれるのかもしれない。
この記事の後編ではほぼ同世代との超晩婚を果たした3組を取り上げていく。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら