バーベキューで注意すべき「3つの細菌」と症状 腐った食品を食べても「食中毒」にならない?

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国内の報告では、カンピロバクター胃腸炎の患者の5%ほどが後日ギラン・バレー症候群を発病したとの報告がある。20人に1人というのはなかなかの合併率だ。

サルモネラは1週間以上長引く下痢が特徴

サルモネラもやはり、食用動物の消化管に棲みついているものだが、食肉が汚染されていることが多い。 カンピロバクターと同時に行われた調査では、国内の食用ブロイラーのサルモネラ保有率は64%だった(農林水産省)。

サルモネラ菌による食中毒では、激しい下痢などの症状が長引くことが特徴だ。最初は吐き気や嘔吐で始まり、その後に腹痛や下痢が始まる。下痢は1日数回から10回以上になることもあり、かつ3〜4日続き、中には1週間以上に及ぶこともある。夏場にこれだけの下痢が長引けば、あっさり脱水症になるだろう。

多くは感染してから8〜48時間後に発症するが、4日後の発病も珍しくない。

サルモネラ菌はペットからも感染する。犬、猫、うさぎ、鳥類、は虫類などの動物には、サルモネラ菌が棲みついていることがある。とくにカメは感染源として有名だ。外遊びで、子供がカメやトカゲなどに触ることもあろう。きちんと石けんで手洗いすることが大事だ。動物とふれあうことのできる動物公園などでは、触った後は石けんで手洗いするよう注意が掲示され、手洗い場などが設置されていることが多い。

なお、食肉以外にも、魚には、水中に漂う「腸炎ビブリオ菌」等が付着しているし、内臓に「アニサキス」などの寄生虫が潜んでいることもある。野菜にも土壌の細菌がついているほか、指先や傷口など皮膚の常在菌である「黄色ブドウ球菌」が付着し、サラダなど生で食べると食中毒につながる。

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