バーベキューで注意すべき「3つの細菌」と症状 腐った食品を食べても「食中毒」にならない?

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とにかく洗うこと、よく加熱して殺菌すること、生で食べるものや食べる直前の食品に菌を付けないことを意識したい。

食中毒か、受診すべきか判断のポイント

症状だけで食中毒かどうか見分けることは難しい。いわゆる「お腹の風邪」とも言われるウイルス性胃腸炎と、症状はそっくりで見分けがつかないからだ。

そのため、「発病の何日前に何を食べたのか?」「食事やバーベキュー、キャンプに一緒に行ったメンバーで同様の症状の人がいないか?」などの情報がとても有益だ。グループチャットで「誰かお腹壊してない?」などの下調べをすると良いだろう。

受診するかどうかは、症状の重さによる。一番避けたいのは「脱水症」だ。おしっこの色が茶色に近い濃さの場合、脱水症に陥っている。

本来はちょっとずつ経口補水液(吸収しやすい濃度の電解質が含まれている)を口にできるといい。でも吐き気が強くて飲めなかったり、飲んでもすぐ嘔吐してしまったり、そのうえ、1日に何度も下痢を繰り返しているとキケンだ。受診して点滴を受けるだけでも症状が楽になることがある。

また、あまりに腹痛がひどかったり、高熱が続いたり、便や吐いたものに血が混ざっていた場合も、受診をお勧めする。

なお、検査もあるのだが、「培養」といって、便などの検体に含まれる菌を増やしてみる方法をとるため、時間がかかる。すぐに結果の出るコロナやインフルエンザの抗原検査と異なり、結果が返ってくるまで1週間ほどだ。

だから検査結果を待っている間に自然に治癒してしまうことも多く、軽症ならわざわざ検査しても役に立たない。1週間たっても症状が続いている場合には、検査結果を踏まえて治療方針を立て、必要に応じて抗生剤治療をすることになる。

食中毒の場合、一緒に飲食をした人の多くが同じ症状であれば、検査で原因となる病原体を明らかにすることは重要だ。一方で、治療については、自宅療養で済むならば患者の負担が少ないこともある。その場合には検査にこだわらず、オンライン受診などを活用しよう。

久住 英二 立川パークスクリニック院長

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くすみ えいじ / Eiji Kusumi

1999年新潟大学医学部卒業。内科専門医、血液専門医であり、旅行医学やワクチンに関する造詣が深い。国家公務員共済組合連合会虎の門病院で内科研修ののち、臍帯血移植など血液がんの治療に従事。血液内科医としての経験から感染症やワクチンにも詳しく、常に最新情報を集め、海外での感染症にも詳しい。2024年12月に立川高島屋SC10階に内科、小児科、皮膚科の複合クリニック「立川パークスクリニック」を開業した。

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