50代前半の8人に1人が「働きながら介護」の衝撃 「ビジネスケアラー」問題は他人事ではない

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これからは、仕事をしながらの介護を、とにかく昔よりもずっと少ない人数で担当する時代なのです。

そうした人が増えている今、介護離職をしたり、介護離職までには至らなくても、多くのビジネスケアラーがパフォーマンスを低下させてしまう未来は、避けられそうもありません。

東京商工リサーチが民間企業7391社に対して実施した調査では、これから介護離職が増えると回答した企業は5272社(71.3%)にもなりました。

企業はそれだけ危機感を持っており、介護離職を防止するための施策を考えて実装し始めています。ただ、日本の経済状況は決して良くないため、こうした対策に対して予算を振り向けられる企業は限られています。

また、企業としても、仕事と介護の両立問題に直面するのはこれが(ほとんど)初めてのことです。知識も足りませんし、法改正も多く、ついていくのがやっとという状況なのです。さらに事例も(まだ)少ないことから、どうしてもすべての対応が手探りになってしまいます。

結果として、企業が従業員のために準備してくれる仕事と介護の両立支援制度は、まだまだ未完成な状態です。残念ですが、法律で定められている介護休業制度をなんとか整えて、簡単な介護研修の提供にとどまっている企業がほとんどというのが現状です。

ただし、経済産業省は本気でビジネスケアラー支援の強化を進めようとしており、今後は、この状況は改善する可能性も高まってきています。

企業も危機感を持ち始めている

「そろそろ親の介護が必要になるかも」と思っているビジネスケアラー予備軍の人もいるでしょう。

希望もあります。

とにかくまずは、あなたが勤務している企業もまた、介護離職や介護によるパフォーマンスの低下を恐れているということは知っておくべきでしょう。

そして、今まさに企業は、介護離職や介護によるパフォーマンス低下防止のための、より優れた施策を検討し、設計し、実装しているところでもあります。

今はまだ、あなたが勤務する企業では、そうした制度が充実していないかもしれません。

しかし場合によっては、現在ビジネスケアラーとして仕事と介護の両立をしている人をテストケースとし、その人に合わせた支援制度を構築してくれる可能性もあります(実際に私は、複数の企業において、両立支援制度のパイロットテストにコンサルタントとして参加しています)。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事